「八月の炎暑」、ご覧くださいましてありがとうございました。

これはW.F.ハーヴィの短編「八月の炎暑(原題"AUGUST HEAT")」のオマージュです。
出典は、エドワード・ゴーリー編、柴田元幸他訳『エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 憑かれた鏡』(河出文庫)。

わたしはおはなしを、大抵、このセリフが書きたい、このシチュエーションが書きたい、という思い付きから書きはじめます。
例えば先日アップした拙宅の短編「ホロフェルネスの遺体」の場合、DIOさまの「目覚めのキスにしてはいささか熱烈すぎるな」というセリフが一番はじめに浮かび、それから前後を埋めていくという書き方をしました。
他のものも概ねそうです。

しかしながら、なぜかこの小連載は、あ、「八月の炎暑」のオマージュをつくりたい、という、はなしの内容を全く考えていない、思い付きからはじまりました。
そのため途中で立ちいかなくなってしまい、「アトキンソン」にDIOさまを、「ウィゼンクロフト」を夢主に当てはめるのは難しいという、行き当たりばったり特有の手に追えなさが発生してしまいました。
途中で配役を逆転させることも考えましたが、なんとか終わらせることが出来て良かったです。

書いていて、とても楽しかったです。
わたしなどがこう表現するのも非常に僭越ではありますが、名作と呼ばれる作品と見比べながら書いていると、文体の違い、接続詞の使い方、不要な説明の削り方(以前「ネットをしていると文章が説明過多になりがち」というある方のツイートを拝見しましたが、本当にその通りだと思います)など、参考になる点がたくさんありました。
こういったオマージュのおはなしづくり、またやってみたいなと心から思っております。
お付き合いくださいましたなまえさま、本当にありがとうございました。

つみ
(20160430〜20160505)
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