「……ぅ、んん……」
「起きたか」
「んー……カーズ、さん……おはよう、ございます……」
「おい、おはようと言いながらまた寝るんじゃあない、起きろ」
「んん……なんですか、おひるねの時間、まだあるじゃないですか……」
「寝るのは一つ質問に答えてからにするのだ、なまえ、私が浮気したならばお前はどうする」
「……え、うわ、き……? 浮気って、え、あ、……っ、わ、わたし以外のひとのところに、い、行っちゃうって、こと、ですか……?」
「まあそうだな」
「……っ、え、」
「なまえ?」
「……っ、や、やです、……やだ、わたしのこと、っ、き、きらいにならないで……ひっ、く、ぅ……ふ、っ、ひぅ……」
「(説明すべきとは分かっているものの、このまま泣き顔を眺めていたい欲求と必死に戦っている)」

(ドッピオ談:その後ちゃんと説明したらなまえさんにものすごく怒られたけど、ずっとカーズさんは幸せそうでした)


・・・



「なまえ、もし仮に私が浮気したならばどうする?」
「……4人も子供がいるDIOさんに今更そんなこと聞かれても、別にどうするも何も。あ、子供と言えば、この前のウンガロくんのお誕生日、お祝いになにもしなかったそうですけど、ちゃんと親子の会話は大切にした方が良いと思いますよ。DIOさんに何か言っておこうか聞いたら、心底どうでも良いって言っていたので、もう修復不可かもしれませんけど」
「WRYYYYYYYYYY辛辣すぎるだろ!!! 1つ前の愛らしさはどこにやった!」
「は? 1つ前? なんのことです」
「無かったことにしようとするのはやめろ!」


・・・



「なまえ、もし私が浮気したらどうするかい?」
「えっ、き、吉良さん、また女性を殺しちゃったんですか……!? 代わりにわたしが犠牲になってるようなものなのに、可哀想な女性を増やしちゃ駄目です! 吉良さんのことだから、証拠も残さない完全犯罪なんでしょうけど……!」
「……いや待て、浮気したらという話をしているはずだが」
「だって吉良さんの場合、そういうことでしょう? わたしに出来ることがもしあるなら協力しますから、被害者を増やさないであげてください」
「……。それなら代わりに、これから毎日君の手を愛でるのを……そうだな、一時間、増やしても良いかい」
「うっ……! じ、人命には代えがたいですし……仕方ないです……、わ、分かりました」
「(質問の答えになってはいないが、結果オーライだな)」


・・・



「なまえ、もしオレが浮気したらどうする」
「……そうですね、ディアボロさんと同居してることバラして、若い体をもてあそばれたってジョルノに泣きつきます。あとトリッシュにも伝えます。やったねディアボロさん死亡フラグが増えるよ」
「おいやめろ、それフラグもなにも間違いなくオレが死ぬやつだろ」
「いつもの日課じゃないですか」
「日課じゃない!!!」


・・・



「なまえさん、ボクが……あの、浮気したら、どうしますか」
「……えっと、浮気って言ってもそもそもお付き合いしてる訳でもないのに、……あ、もしかしてディアボロさんに言えって命令されたの? ドッピオくんにも、ちゃんと好きな人がいるかもしれないのに……。もう、仕方ないなあ、ちょっと注意してくるね」
「ち、違います! ボクは本当になまえさんのことを、」
「……え、ドッピオくん?」
「こういうふうに、何かきっかけがないと言えない自分が情けないけど、ボクはなまえさんのことが好きなんです。勿論、友情とか親愛とかじゃあなくて、ひとりの女性として、恋愛感情を抱いているんです」
「ドッピオくん……」

「おいオレのときと態度が違いすぎるだろなまえ」
「ディアボロさんちょっと黙っててください」


・・・



「なまえ、私が浮気をしたら君はどうするかい?」
「……プッチさんもそんな冗談言うんですね」
「まあね」
「……神父さん的にはどう思ってるんですか」
「どう、とは?」
「あんまり知らないんですけど……えっと、聖書の……汝、姦淫するなかれ、でしたっけ? わたしのことちゃんと教え諭さなくても良いんですか、神父さん」
「それを聞くなら、吸血鬼を信仰する神父も一般的には罰せられるべきだね」
「……それもそうですね」
「それに、”情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をした”……私が君のことを犯す想像をしただけで罪になるのなら、もう数え切れない程の罪を重ねていることになる。全ては心の持ちようだと思っているよ」
「……え、いや、ちょっと待ってください、え? え? いまさらっと、ものすごく不穏なことを言われたような気がするんですけど……?」
「気のせいじゃあないよ」
「穏やかな笑顔でそんなこと聞きたくなかった……」


・・・



「なまえ、私が浮気したなら君はどうする?」
「どうするも何も、わたしが浮気相手ですよね。現地妻というかなんというか」
「そうだな」
「ファニーさん、立場的にスキャンダルとか大丈夫なんですか?」
「情報操作など抜かりないさ、それにスカーレットも君ならば公認だしな」
「それなら良いんですけ、ど……うん!? ファニーさんいまなんて言いました!?」
「ん? スカーレットも公認だと」
「聞いてませんよどういうことです! だいたいわたしたち、そういう関係じゃないってちゃんとスカーレットさんに説明してあげてください! ファーストレディ公認の愛人なんて、わたしには荷が重すぎます辞退させてください」
「却下だ。それにしても最近、勘違いした彼女が是非三人でとねだってきて困っているんだが、君はどう思うかね?」
「うわあぁんもうやだこの夫婦」


・・・



「なまえ、オレが浮気したらどうする?」
「ええ……ディエゴくんもその質問するの……」
「良いだろ、ほら答えろ」
「うーん……ええと、ディエゴくん、きれいなお相手たくさんいたみたいだし、飽きられちゃったのかなって納得するかなあ。わたしきれいでも可愛くもないし、悪いところいっぱいあるし」
「……」
「なーんて……あのね、本気じゃなくて、ただ言ってみただけだからね? ね? ディエゴくん聞いてる? 落ち着いて、恐竜化はやめてって、――っ、あああのディエゴくん、突然どうしたの、どうしてわたし押し倒されてるんですかね頭ぶつけたんだけど」
「なまえ」
「な、なに、――っ! んん、っ、ふ、ぁ」
「っは、……そんなふうにオレのことを思っていたなんて心外だ。どれだけオレがお前のことを愛しているか伝え足りなかったみたいだから、全部教えてやろうと思ってな」
「そういうベタなパターンですか」
「1つくらいこういうベタな展開があったって良いだろ?」
「いや結構だから離れて、……っ、ディエゴく、んっ、あっ」

(お約束の暗転)


・・・



「もう、みんなして何だったんですか。冗談でも傷付くことってあるんですよ」
「そういうイベントだと思ってろよ」
「こんなに嬉しくないイベント要らない……。自分がされて嫌なことは他人にもしちゃダメって習いませんでしたか」
「オレたちがイエスと答えると思うか?」
「ですよね! 我ながらバカなこと聞いたと思います! ……あ、そうだ、じゃあ、わたしが外で浮気したらみんなどうしますか?」
「「「「「「「「相手を殺す」」」」」」」」
「アッ、ハイ」
「無論その後お前は監禁するが」
「わたしの人権とは」
「なまえさんはそんなことしませんよね?」
「おおっとドッピオくん、目のハイライトが消えてるけど気のせいだよね? これもしもの話だよね? ヤンデレフラグ回収してないよね大丈夫?」

「浮気したらどうする?」
(2015.04.17)
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