白い壁に白い天井、そして白い床。
目に刺さるような強烈な白色以外見当たらない、狭苦しい部屋――と呼べるのだろうか、目測でおおよそ3m程度の正六面体、四角く区切られた箱のような空間。

なまえは目を開いた途端、視界に飛び込んできたその異様な部屋を見渡して、ぱちくりとまばたきした。

「……起きたか」
「え、あ、ディアボロさん……?」

背に手を添えられ上体を起こすと、傍らにはカーズもいた。
彼ら二人の他には誰もおらず、なまえは意識の戻ったばかりで未だぼんやりしている思考を振り払うように軽く頭を振る。
そしてまた二度三度と目をしばたかせると、

「……ここ、どこですか?」

至極真っ当な問いを呟いた。

・・・


「……へえ、それで? 三人とも突然、この箱みたいな部屋にいて、出ることが出来ない? は? 意味が分からないんですけど」
「そうイライラするな、生理中か?」
「違います!」

ディアボロに抱き締められた腕のなかで、なまえは不満げな声を上げた。
現状、分かっていることを説明してもらったとはいえ、はいそうですかと諸手を挙げて受容出来る訳もなく。
目を開くと突然別の場所にいた、なんて異常事態の当事者になれば混乱するのも当然である。

……とはいえ残念ながら、彼女はそれを経験していたが。
あの荒木荘と呼ばれる小さな住居に、突然現れ出たのが最たる例で。

前例があるということは、それだけ適応力が高いということ。
なまえは現状を受け入れて諦めたように、はあ、と溜め息をひとつついた。

「順応の早いことでなによりだな」
「誉めてるんですかそれ……」

げんなりとしながらなまえは、ディアボロの腕のなかでまた薄く溜め息を吐く。

「パニックになられるよりはマシだが」
「うーん……ここにわたしひとりだったら、確かに混乱していたかもしれないですけど……カーズさんもディアボロさんも一緒だから、大丈夫です」

なまえは苦笑して肩をすくめた。
彼女が知っている限り彼らより強い存在はなく、彼らが敵わないものに、彼女の力が及ぶはずもない。
それを理解していてなまえは微笑む。
その微笑みはつまり、なにかあれば彼らと未来を共にすることを迷わずに選択する、愚かなまでの清らかさに満ちていて。

「ディアボロさんもカーズさんも、わたしのこと、ちゃんと守ってくれるでしょう? ……二人より強いひとなんていないんですから」

一緒ならこの世に怖いものなんてないです、と安心してくすりと微笑みながら、なまえは自分を抱きすくめるディアボロを見上げた。
夜色の瞳はその色の通り、果てのない夜空のようにどこまでも澄み切っていて、彼らを全く疑わない、どこまでも無垢で純真な光をたたえている。

ディアボロはその目を見て、うっすらと嘆息した。
そんな平穏極まりない、きれいな瞳を向けられるには不相応な、濁った性質を持ち合わせた人間だと自覚している。
しかしながらなまえはそんな自分たちを知っていて、理解していて、それでいて糾弾するどころか、恐怖し忌避することすらもない。
あまつさえ自分たちを甘受し、手を広げて微笑み、抗いがたい心地よさを与えてくれる。
きっとそれは非常に稀有なもので。
過去も理屈もかなぐり捨て、ただ縋り付きたくなるほどの衝動も、同時に与えた。
腕のなかの彼女に、薄く苦笑を浮かべる。

「お前は本当に悪い、いい女になったな」
「わあ、目の肥えたイタリア人男性にそう言ってもらえるなんて、光栄ですね」

目を丸くしながらいたずらっぽく笑ってそう言うなまえに軽く口付ける。
ブーゲンビリア色の髪が顔にかかり、なまえはくすぐったさを感じ、落ちて来る唇を従順に甘受しながら小さく笑みをこぼした。

「ならば大人しくその身を差し出すということで良いな?」
「は? カーズさん、どういうことですか」

自分の力をもってしても破ることの出来ない壁を、興味深げにためつすがめつして検分していたカーズが振り向いて、ここで見付けたらしい紙切れを彼女に手渡した。
ぺらりと手に乗せられたただの紙切れを見て、なまえは小さく首を傾げた。
この異様に無機質な部屋には不似合いな、ありふれた紙切れである。
それに書かれていたのは、

「……せ、”セックスしないと、この部屋から出られない”? は……? いやいやいやいや、どういうことですかこれ、え? なんだこのふざけた紙、破り捨てて良いですか」

彼女がいぶかしむのも当然である。
突然こんな状況に放り投げられて、あまつさえこんな通知を受け取るなんて。
なまえはもう一度、意味が分からない、と呟いた。
舌打ちしたくなるのを堪えつつ、それを手渡してきたカーズを見上げる。

疑問や戸惑いを大きく含んだ彼女の眼差しを向けられた彼は、腕を組んで小首を傾げた。
そのおそろしく精巧に整った美貌に浮かんでいるのは、ひどく愉快げな色。
にたりと音が聞こえてきそうな深い笑みを見て、なまえは、ひくっと口の端を歪めた。

「……え、ま、まさか、」
「そのまさかだ」

目を見開いてなまえは身をよじろうとするものの、簡単に押さえ込まれた。
駄々をこねるなと言わんばかりにカーズに顎を掬い上げられる。

「ちょっ、正気ですか!」
「誰にここまで飛ばされたか分からんままというのは非常に業腹だが、膳立てされたのに乗らん訳にもいかないだろう」
「やっ、ちょっと待ってください、本気でこんなところで、……っ、んっ……!」
「犯人は見付け次第殺してやろうと思っていたが、少々考えを改めなければならんなァ」
「っ、カーズさんのばかぁっ……!」

愉快げな笑みの形を浮かべた、途方もなく美しくつくられた容貌から、なまえは背を仰け反らせて離れようとするものの、腰と顎を掴まれればそこから逃げるのは不可能になってしまう。

「や、っ、ぁんっ、んん、ふ、……は、ぅ、」

執拗に絡められる舌に、呼吸すら上手く行えない。
視界の端でディアボロが肩をすくめ、諦めろ、と苦笑するのが見え、なまえは腹立ちまぎれに自分を拘束する腕に爪を立てた。

くちゅ、ぐちゅ、と口の端から漏れる淫らな水音に、抱きすくめられた背筋が小さくふるえる。
じっくりねっとりと粘膜をねぶられる心地よさ。
角度を変えて何度も繰り返されるそれに、脳の芯がじんわりと痺れるような陶酔に襲われる。
泣きたくなるほどの気持ち良さに、やがてなまえは抵抗も忘れ、長い深紫色の髪に指を絡めつつ、無意識に更に口を開けて迎え入れようとした。

口付けがこれほど気持ちの良いものだと教えたのは彼らだった。
口腔を肉厚の舌で舐め上げられ、身体から勝手に力が抜けて、頭のなかに靄がかかったようにぼうっとしてしまう。
くたりと脱力し身を預けきったなまえを見て、二人は笑みを濃くする。
はれぼったくなってしまうほど吸われた唇は、互いの唾液でぽってりと濡れ光っている。
存分に仕込まれたなまえの肉体は既に、その先の快楽への期待でひどく疼き、表情は恍惚に染め上げられていた。




――時計もないこの空間において、どれだけ時間が経過したのか彼女には判別出来なかったが、ぐずぐずに溶かされた肢体を持て余したなまえにとってそんなことは、既に思考の外へと追いやられていた。

「あぁふ、ん、んんっ……っ、あっ」

ぐちゅ、と音を立ててディアボロの指を咥え込んだ膣孔は、与えられる刺激に歓喜して蠢く。
後ろからカーズに腿の上へ抱きかかえられ、両脚の間にはディアボロがいる。
大きく開脚させられ、閉じることが出来ない。
くぱ、と花唇を割り開かれ、だらしなく淫蜜を溢れさせるソコを晒すよう強制される。
羞恥に駆られ、手を伸ばしてディアボロの体を押し遠ざけようとするも、後ろにいたカーズに両腕をとられ、背中で拘束されてしまった。
カーズの大きな手では、片手で容易に両腕を握られてしまい、そのまま二人に刺激を与えられ続ける。
なまえは逃げ場のない喜悦に苛まれて、がくがくとふるえた。
ふるえるのに合わせ、後手で拘束されているため正面に突き出すように張りつめた乳房が大きく揺れる。
重たげに揺れる双球はおそろしく淫猥で、雄を煽り立てるには充分すぎるほど。
カーズは後ろから掬い上げるようにして、その美房を揉みしだいた。

それと同時にディアボロに最も敏感な秘豆を親指で潰され、膣孔のなかを掻き乱されながら、その突起の裏側辺りを、ぐり、と長い指で擦られた。

「ひっ、ああぁっ、やぁっ、ぐりってしちゃ、だめぇっ、――っ、あああぁっ!」

襲い来る喜悦にいやいやするようにゆるく頭を振り、なまえはその凶暴すぎる快感から逃げようとした。
しかしその抵抗も、前後にいる彼らの手にかかれば、簡単に無意味なものとなってしまう。
肉付きの良い太腿や臀部が跳ねて汗を散らし、細い腰がよじれる。

制止の声を上げるものの、蜜壷のなか、淫核の裏側辺りを繰り返し抉るようにスライドする指は止まらない。
強すぎる快感に、二人の身体の間でなまえの肢体が大きく跳ねた。

「や、ぁう、そこ、ぐりぐりされたらぁっ、ディアボロさんっ、あ、くひぃぅんっ、やあああぁあぁっ……!」

なまえは一際高い嬌声を上げ、引きつるように全身を痙攣させる。
激烈な絶頂に、ぷしゃっ、と潮まで吹いた。
慎ましく口の狭い陰唇の奥から、まるで失禁でもするように透明の飛沫が迸る。

「あ、あぁっ……」

跳ね上がっていた腰が落ちた。
なまえは羞恥のあまり、ようやく拘束の解かれた両手で口元を覆う。
かたかたと丸い肩がふるえていた。
噴き出た透明の体液は、ディアボロの手指やなまえの腿だけではなく、真っ白な床やカーズの脚までもぐっしょりと濡らしていく。
涙をぽろぽろとこぼしながら、紅潮した頬をますます真っ赤にしてふるえるなまえの愛らしさや淫靡さは筆舌に尽くしがたく、二人はますます笑みを深めた。

「なまえ、そんなに気持ち良かったのか?」
「ふえぇ、うぅ……でぃあぼろさぁん、」

労わるようにまた何度も口付けてやると、耐えがたい羞恥のせいで強張っていた身体から、ゆっくりと力が抜けていく。
カーズは、汗が浮かびぺたりと張り付いた髪を梳いてやりながら、時折か細くふるえる肌を撫でる。
そんな優しさすら感じられる戯れに、なまえもぐったりと投げ出していた腕をゆるゆると伸ばし、正面にいたディアボロの首に回して縋るように抱き着いた。

「ふ、なまえ、そのままそいつに掴まっていろ」
「え? ――っや、カーズさん、待って、お願い、まだっ……! っ、ひぁああぁっ! だめぇ、あっ、またっ、いっちゃうからぁっ……!」

背後にいたカーズに腰を掴まれたかと思えば、後ろから覆いかぶさるようにしてなまえはずぶずぶと膣孔に挿入された。
無理やり粘膜を押し拡げられる感覚に、なまえは真ん丸く目を見開く。
強制的に膣襞をめくり上げる大きな剛直に、なまえはまた大きく背を反らしてその身を跳ねさせた。
豊潤な愛液に任せて一息に根元まで埋め込まれ、膣口からしたたるほど大量に分泌されていた蜜液が、じゅぷっと下品なまでの音を立てて溢れ出る。
また、僅かに尿道口に残っていたらしい潮吹きの残滓も、圧迫によりぷしゅ、とこぼれた。

「ひぃやああぁっ……! あっ、ああっ、や、やらぁっ、かぁずさんっ、んっもう、だめぇっ……!」

抵抗する間もなく跳ね上げられた法悦。
なまえは夜色の髪を振り乱し、耐えられないとばかりに身悶えた。
しかし逃げることは許さないとばかりに後ろからぐっと腰を掴まれ、凶暴な極太の物にナカを掻き混ぜられる。

「っは、駄目と言うには早すぎるだろう、まだ挿入したばかりだというのに」
「ごめ、なさ、ぁああっ、でも、ふあぁ、ぁひっ、も、くるしい、のぉっ……!」

蜜壷は淫猥な音を立てながらカーズのものを嬉しそうに咥え込む。
なまえ本人の意思とは関係なく、いやらしく躾けられた肢体は貪欲に、凶悪なまでに大きく勃起した肉棒をもっと奥へ奥へと誘い込むように襞を蠢動させた。
まるで全神経を、快楽神経だけにさせられたような深すぎる結合。
なまえはとろんと甘え泣きの表情に相好を崩していた。

そのとろけた牝の顔を正面の特等席で観賞していたディアボロは、低く笑って慰めるようにするりと頬を撫でた。
少女はそんな些細な愛撫にもぴくんと反応し、激しい抽送に耐えるように必死に彼の首へと縋りつく。
律動に合わせてたぷんたぷんと弾む房球にディアボロが手を伸ばし揉みしだけば、美しい曲線を描いていた背中がまたびくっと跳ねた。

「ひぃんっ、ア、ああっ、ディアボロさんっ、いやぁっ」
「嫌じゃあない、なまえ、こういう時はなんて言うんだ?」
「くぅ、ンッ、あ……! あぅ……ぅ、いい、ですっ、きもちいぃっ……なまえ、きもち、いいれすっ」
「それで?」
「あぁっ、ひぅっ……ッ、もっと、ぅあ、あっ……もっとぉ、なまえに、きもちいいのっ、くらさいぃっ」

懸命に縋りついてくる彼女の身体を支えてやりながら、ディアボロは教え込んだ通りに乱れるなまえに、くつくつと笑みをこぼす。
閉じることが出来ずゆるゆると開いたままの小さな唇からは、発情しきった牝の嬌声と、飲み込みきれない唾液とがだらしなく垂れている。
よく言えたと誉めてやるように、それを舌先で拭う。
肌をなぞりそのまま口付けてやると、なまえは息苦しさに――否、過ぎた快楽に、真っ赤に熟れた目尻からまた涙をこぼした。

口腔や舌すらも性感を生み出す器官であると教えられた彼女は、その口付けに陶然と耽る。
膣奥を突き上げられる直接的で圧倒的な喜悦と、口内を蹂躙されるずくずくと蓄積していく深い愉悦。
同時にそれらに襲われ、なまえは目の裏で火花が爆ぜるような鮮烈な快楽に、成すすべもなく翻弄されるしかない。
一瞬意識が薄れ、絶頂を告げる言葉も出ないままに達してしまう。
達している最中だというのに、止まらない律動と刺激。
何度絶頂を味わったのか分からないままに、意識が混濁する。
しかし断続的に与えられる膣襞をめくり上げられ最奥を突かれる強烈な刺激に、すぐに意識を引き戻された。

既に意味を成さない嬌声しか紡ぐことの出来なくなっている唇を、正面にいたディアボロに塞がれ続け、呼吸がひどく苦しい。
しかし舌を吸われ、夢中で彼の舌を吸い返すと、更に深くなる口付けに恍惚となっていく。
本能のままにただそれを求めた。

正面からは、瑞々しく張りつめた乳房や、その中央で固く尖った薄紅色の突起をつままれ、小さな唇を塞がれる。
後ろからは細腰を掴まれて、胎内を凶悪な屹立で突き上げられる。
脳内までもめちゃくちゃに犯されるかのような凶暴なまでの快楽に、なまえは思考も何もかも放棄した。

「っ、は、なまえ、」
「ああぁあっ、か、カーズさんっ、だして、おくっ、なまえのなかに、らしてぇっ」

笠の開いた亀頭が膨れ上がり、子宮を押し上げるような感覚。
なまえは慣れ親しんだ射精の兆候を感じ、いつものように膣内を埋め尽くし、深い酩酊感を与えてくれるソレを浅ましく求めた。
愉悦に溺れた牝の本能で、それまでより増して膣奥がぎゅううぅっと収斂する。
その極上の強い締め付けに低く呻き、カーズは最も奥深いところを、笠の開いた亀頭でぐっと押し込んだ。
そのまま子宮口をぐりぐりと強く圧迫すれば、耐えられないとばかりになまえは抱き着いていたディアボロの背に一層爪を立てた。

「なまえ、出すぞっ……!」
「ぁっ、ひぅっ、〜〜っ!」

待ち望んだ白濁を胎内いっぱいにぶちまけられ、なまえは充足感と途方もない法悦に、声にならない悲鳴を上げた。
どぷっと腹奥に迸る、濃密な精液。
快楽漬けにされた少女は、か細い声を途切れ途切れ漏らした。

「んあぁ……は、ふ、ぅあ、ぁー……いっぱい……おなか、あついの……でて、るぅ……は、ぁは……」

なまえは胎内を満たす白濁にまた更に快楽を得て、恍惚にびく、びく、と打ち震える。
ディアボロの首に腕を回したまま、なまえは糸が切れたようにぐったりと脱力して崩れ落ちた。

「なまえ、」
「……ふぁ、かーずさん、ぅ、んむ、っ、は、んぅ」

後ろから顎を掬い上げられ、先程までなまえの膣粘膜を犯していたカーズが唇を重ねてきた。
混濁した意識のなか、深い口付けを繰り返していると、白濁をしたたらせる蜜口はまた快楽を求めるかのように、彼女の意思とは関係なく、くぷ、と開閉した。

ディアボロは彼女の細腰を引き寄せる。
そのぐずぐずにほころんだ花唇に指を突き立て、粘膜にぶちまけられた白濁を掻き出すように胎内のなかで指を動かした。

「ひぅっ、ああぁっ! やぁっ、やめ、ンッ、んんっ」
「なまえ、唇を離すな」
「っ、カーズさ、ごめ、なさ、んっ……んむぅっ」
「はは、なまえ、こんなにナカに出されて可哀想に」
「や、やぁっ、でぃあぼろさんっ、ひぅ、お、おなか、かきまわさないれぇっ、あっああぁっ」

必死に呼吸を繰り返す唇を無理に塞がれる。
それと同時に、膣内いっぱいに吐き出された精液を、ぐぷぐぷと無遠慮に掻き出される。
何度も法悦を極めさせられた肢体は、加えて与えられる快感にどうしようもなく弱い。
細腰が跳ね上がって、精液と混濁した粘液をこぼし、なまえははしたない嬌声を上げてまたも絶頂に至った。

「ひぃあああぁっ! も、やらぁっ、またっいっちゃぁ、ああぁっ……!」

肉壁を掻き回され、ナカに充満していた白濁がじゅぷじゅぷと下品な音を立てて出てくる。
はーっはーっと大きく肩を上下させて荒い息を繰り返すなまえを抱きかかえて膝に乗せながら、ディアボロは笑みを浮かべて彼女の腰を支えてやる。

「ほらなまえ、オレが挿れてやるから腰を上げろ」
「ん、ぁう、ひ、ああぁ……ください、っあ、なまえに、もっとちょうらいぃ……」

ぼやけた視界の端に妙にチラつく、覚めるように真っ白な壁や天井。
もしかしたら異常な空間と事態が、神経をいつもより過敏にさせていたのかもしれない。

最早、彼女の脳裏にはこの空間から脱出するというこの行為そのものの目的など、とうに消え去っていた。
ただ、目の前にある快楽が全てで。
涙にまみれた瞳を嬉しそうに細め、なまえは淫蕩な微笑みを浮かべて手を広げた。

フィオリトゥーラ・フォッレ
(2015.02.07)
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