無理やり胎内を押し拡げられる衝撃と圧迫感。
それは、長らく些細な刺激のみ与えられ続けてきた肉体には、耐えがたいほど凄まじいものでした。
不意打ちの急襲に、なまえは白い背を弓なりに反らし、がくがくっと痙攣しました。

「〜〜ッ! んア゛ぁあっ! ッ、しゅごいぃ! こんな、こんなぁ……おっきいのっ、ひッあ゛ぁああっ! こわれりゅっ! ひぎぃ゛い゛ぃ、なまえのおなか、こぁれうぅっ……!!」

なまえの眼前に、ばちばちっと火花が散ります。
気が触れそうな喜悦と共に――奥の奥、子宮にまで至ってしまうのではないかと、胎を食い破られてしまうのかと、本能的恐怖すら感じてしまいます。

律動は、はじめから容赦ないものでした。
がっちりと腰を掴まれ、大きく揺さぶられます。
浅い場所で掻き回すように擦られ、油断していると、ぐぷんっ、と深く抉られます。

「ッ、は……セックスで腹は壊れません、よっ」

理知的な好青年然とした昴さまが荒々しく呼吸を乱し、淫らな行為に耽っていらっしゃいます。
白い目蓋の下からはうっすらと緑の瞳がのぞき、ぎらぎらと濡れ光っていました。
ずっと穏やかな声色や雰囲気に触れていたなまえは、昴さまがそうして息を荒げていらっしゃるのを見るだけで、堪らなく興奮がいや増します。
獰猛な緑の眼光に貫かれたなまえは、更に腰をくねらせて善がり声を迸(ほとばし)らせました。

「気持ちよさそうですねえ、淫乱ななまえさん」
「ひあぁああ゛ぁっ! は、はいぃっ! きもちっいいれすぅ、すばるしゃまの、おっきなおちんぽぉっ! うぁ゛あっ、あぁっ、おまんこずぽずぽっ、またぁっ、なまえあくめきちゃうぅ……! ひぃっ」

腰を振る淫らな抽送に伴い、ばつんばつんと肉のぶつかる音が鳴り響きます。
加えて、雌の甲高い悲鳴も。
それらの音に追従するように、結合部からは、ずぢゅっ! ぐぷぷっ! と猥褻な水音も室内に反響します。

下から突き上げられるたび彼女が腰を落とせば、子宮口にまでめり込むかのように、ぐぶぅっ、と奥深いところまで肉竿が突き刺さります。
それは意識が眩むほどの衝撃でした。

「ああ゛あぁあぁぁっ、また、い、イクぅうう゛っ! んん゛っ、いくいくぅう゛うっ、ひぐぅううぅうッ……! きもひよくてっ、なまえッ、ひんじゃうぅっ!!」

いま自分が達しているのか、そうでないのか。
限界まで追い詰められていたなまえの肉体では、そんなことすらも分かりませんでした。
感極まったなまえは、微弱な電流を流されているかのように断続的に、ぴく、ぴく、と背筋をふるわせております。
卑猥な上下運動に合わせ、拘束された両手の横で、見事なメロン乳房がたっぷん、たっぷん、と重たげに揺れ弾んでおりました。

婬奔ななまえの、淫らな舞いをお気に召してくださったのでしょうか。
嫣然と微笑んだ昴さまは、荒い吐息まじりに感嘆の呻き声を漏らしました。

「ぅ……はあ、さすがお上手ですねえ」
「ひぃんんぅっ、じょおず? なまえ、じょうずにれきてますか、ぁああ゛ぁっ!」
「ええ……もう僕も保(も)たないくらいに、っ、は」

はあっ、と熱っぽい吐息を大きくこぼした昴さま。
そのご様子に、なまえはまた喜色たっぷりにとろりと瞳をとろかせました。
快楽に目蓋が重くなり、半眼となったなまえのとろけた笑みは、それはそれは淫猥なものでした。
自分によってご主人様が気持ち良くなっていただいているという悦びは、この館の娘たちにとって、なににも替えがたい幸福なのです。
これ以上ないというほどぎっちり咥え込んでいた媚粘膜が、更に甘美な締め付けをもたらしてしまいます。

「ッ、は……射精(だ)しますよ、なまえさん……っ、どこに出してほしいですか」
「しゃ、射精ぇ……! すばるさまっ! おねがいれしゅ……! なまえのっ、おなかのなかぁっ、んぅあっ、ア゛ひぃっ、しゅ、しゅばるさまのっ、せーえき、なまえの、なまえの子宮にっ、んあ゛ぁああぅっ! 欲しいれしゅ……! なかだしっ、してぇ」

胎内で肉竿がぐぐっと更に膨張し、びくびくと脈動しています。
身体の内で感じる射精の兆候に、なまえは発情しきった甲高い嬌声をあげました。
あられもない嬌声に連動するように、きゅうきゅう、と蠢く膣襞が、ご主人様のおちんぽをますます美味しそうにしゃぶり上げます。
その様子は、いまから頂く精液を一滴たりともこぼしたくないとでも言わんばかりの浅ましい収斂でした。

「は、ッ……良いでしょう、たっぷりにナカに出してあげましょうね」
「は、はいぃっ! くらしゃいぃ……! いっぱい、精子ぃっ! びゅーってしてくらしゃいぃっ……! んうぅ〜っ、ざーめん゛、ほしいのぉっ……!!」

は、と昴さまが息を詰めた瞬間。
どぷぷっ……! と音まで聞こえそうなほど、濃密な精液が胎奥に迸(ほとば)りました。

「あへあぁぁぁあ……は、ふ、ぅあ、ぁ゛ー……! しゅご、いっぱい……おなか、あついの……でて、りゅぅ……! は、ぁは……」

ずっとずっと待ち望んでいた白濁を膣内いっぱいにぶちまけられたのです。
膣内射精の衝撃で、なまえは声にならぬ悲鳴をあげました。
絶頂から降りてこようにも、胎内を満たし尽くす濃厚な白濁に、更に快楽を得てしまいます。

「しゅばるさまの、ざーめんん……! あうぅ……ぁー……! しゃせぇ、ありがとうござい、ます……! なまえ、しゃせぇあくめ、キメちゃったぁ……! ッ、〜〜っ!!」
「なまえさん?」

なんという失態でしょう。
ご主人様の身体の上で、なまえは糸が切れたようにぐったりと脱力して崩れ落ちてしまったのです。
深く俯いて昴さまのお身体に圧し掛かっているため、その表情を窺い知ることは出来ません。
しかし、それで良かったのかもしれません。
目を剥き、汗や涙、唾液等で汚れた顔は、見るに堪えぬほど猥褻でした。
元来楚々とした淑やかな容貌がそこまで乱れ崩れるさまは、与えられた快楽の凄まじさを感じさせました。
意識は混濁したまま、しかし雄を咥え込んだ媚孔は名残惜しげにくぷくぷ蠢いておりました。

「ふー……」

なまえの肢体を抱きとめたまま、昴さまが深く息を吐きます。
催淫剤を投与されていた彼女ほどではないにせよ、未だハイネックのシャツを着込んでいた昴さまはひどく暑そうです。
互いの体温と荒い呼吸によってうっすら曇ってしまった眼鏡を手に取りました。
傍らのサイドテーブルにそれを置くと、鬱陶しい熱を散らすように、ぱたぱたと首元に風を送りました。
次いで、ふむ、と小首を傾げます。
片方だけ、怜悧な翠眼がちらりと覗いていました。

――そのとき、ばちん、と派手な打音が室内に響きました。

「ッ、あ、ぇ……?」
「おはようございます、なまえさん」

じんじんと熱を孕み痛む頬を押さえ、呆けたようになまえはまばたきを繰り返します。
乙女の顔(かんばせ)を張った左手をひらひらと揺らしながら、昴さまが何事もなかったかのように唇をたわませました。
甘いテノールの声音が、朦朧とするなまえの鼓膜を揺らします。

「誰が休んで良いと言いました? 一度射精しただけで終わると思いましたか? 煽ったあなたが、最後まで付き合うのが当然でしょう」

涙と法悦でぼやけた視界で、昴さまがやはり穏やかに微笑んでいらっしゃいます。
なまえはとろけた脳裏にその美しい微笑を焼き付けながら、恭順の笑みを浮かべました。

「あ、ぅう……、も、もうしわけ、ございませんっ、えっちななまえのせいで、すばるさまのおちんちんを勃起させてしまい……、ッ、はぁあ……! せきにんをとってぇ、なまえのおまんこで、鎮(しず)めさせて、ん、んぅ……いただきたい、れす……」

瞳のなかにハートマークを浮かべ、ともすれば崩れそうになる細腰を懸命に奮い立たせながら、なまえは更なる愉悦に胸を高鳴らせました。

「なまえさんは仕事熱心な上、責任感が強いんですね……やはりあなたは良い子だったようだ」
「はいっ、もったいないおことば、ありがとう、ございます……、なまえのいんらんおまんこ、すばるさまが、いっぱいお使いくださいっ……!」


(2019.01.09)
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