(※「Ah! vous dirai-je, maman」の続きです。先にそちらをご覧になってからお読みください)




「ただいまー!」
「おかえりなさい、遅かったですね、なまえさん」
「お、おお……ただいま、遅くなってごめんねドッピオくん……」

玄関から入ってすぐの台所に待ち構えるようにして立っていたにドッピオに驚きつつ、なまえは買い忘れていた商品を手渡した。
ドアを開けてすぐに人がいるとさすがに驚くなと考えつつ、遅くなってごめんねと苦笑を浮かべる。
申し訳なさそうに眉を下げるものの、しかしその表情は花が咲いたように愛らしく、一見して何か良いことがあったのだろうと簡単に察することが出来るほど嬉しそうだった。
帰宅してからというもの、柔らかそうな頬を興奮に染めて上機嫌な彼女に、ドッピオは首を傾げた。

「何か良いことでもあったんですか?」
「ふふ、良いことというか嬉しいことというか……。さっき水溜まりの水が跳ねて洋服が汚れちゃったんだけどね、偶然通りかかったひとに助けてもらったの」

口元がゆるんでしまうのを堪えきれず、なまえが上機嫌にそう口ずさむ。
いつにも増して爛漫に笑むその様子に、ドッピオは良かったですねと微笑んだ。

「おやなまえ、おかえり」
「ただいまです。プッチさん、お出掛けですか?」

彼女が手を洗っていると、いつものスータンをきっちり着込んだプッチが玄関にやってくる。
彼がこの時間に外出するときは、大抵彼の友人の子供たち……まあつまりDIOの息子たちと夕食を共にすることが多い。
ちなみに以前、会う気はないのかとDIOに尋ねたなまえは、彼の「興味ない」との一言により、息子たち三人に対して同情心をこっそり一方的に抱いていた。

見送るために未だ玄関に留まるなまえの頭を撫でながら、プッチは微笑んだ。
彼より随分と低い位置にあるそれは撫でるのに大層都合が良い。
さらさらと流れる夜色の髪は、彼女自身や住人たちの手によりよく手入れされており、素晴らしく心地良い指通りだった。

「ウンガロたちと約束していてね、そういうわけで私の夕飯は結構だ」
「はーい、分かりました。気を付けて行ってらっしゃい」

会話を続けながらひとしきり夜色の髪に指を通して満足したのか、プッチは最後にするりと彼女の頬を撫でて家を出た。
なまえは微笑みながら彼を送り出し、扉にしっかりと施錠する。
すると、ふいに後ろから抱き締められた。

「わ、カーズさん、びっくりしましたよ……ただいまです」

慣れた体温と香り、視界に入る艶やかな深紫色の髪で、それが誰だかすぐに分かる。
いつものようにただいまの挨拶をしようとしたところで、抱き締めてきた彼が全く口を開かないことになまえはそこでようやく気が付いた。
どうしたのかと不思議に思って首を捻ろうとするも、がっちり拘束され首筋に顔をうずめられ、それすら出来ない。

「……あ、あの、カーズさん?」
「なまえ」
「えっ、ちょっと待っ、うわっ!」

ひょいと抱き上げられ、突然の浮遊感になまえは目を白黒させるしかない。
そのまま部屋に担ぎ込まれて床に降ろされたと思えば、息つく間もなく噛み付くようにして口付けられた。

「っ、んくっ、んんっ、ふ……! んっ……はあっ、何なんですか急に!」

執拗に絡められる舌から慌てて逃れ、突然なんだと声を上げた。
なんとか腕のなかから逃げ出し、荒く乱れた呼吸を必死に落ち着かせる。
その場にいたディアボロもディエゴも、何事だと目をしばたたかせた。

「先程、服が汚れたと言っていたな」
「じ、地獄耳ですねカーズさん……」
「誰だ」
「……は、はい?」
「相手は誰だと聞いている。このにおい、まさかジョースターの者とは言わんだろうな?」
「「は!?」」

大きく声を上げたのは彼女ではない。
その様子を見ていたディアボロとディエゴだった。
ただの人間より比べものにならないほど鼻のきくカーズに追い詰められ、座ったままじりじりと後ずさっていたなまえは、後方にいたディアボロにぶつかってそれ以上後退することも出来なくなる。
ぶつかられた彼も返答を促すように、恐ろしく不穏に瞳を光らせた。
細められた眼光は鋭く、平和慣れした彼女にとって恐怖心を煽るのには威力が充分すぎるほど。
向かいで不快げにガチガチと歯噛みするディエゴの瞳もまたしかり。

なまえは彼らの地雷を踏み抜いたことに気付いたが、誰が彼女を責めることが出来るだろうか。
冷や汗をかきながらなまえはうろうろと視線をさまよわせた。

「……いや、あの、思わぬ所でというか本当にばったり偶然お会いしまして……」
「それで? お前の体からどうしてこうもジョースターのにおいがするか説明出来るのだろうな」
「おおお落ち着いてください何もやましいことはないです! ええっと、ジョセフが通りかかってそれが原因で少し服が汚れちゃって、ジョナサンにきれいにしてもらっただけで……それだけ! それだけです!」

あまりの恐怖で既に半泣きになりふるえるなまえは、後ろから抱き締めてきたディアボロにびくんっと肩を揺らした。
彼はあやすように夜色の髪を梳きながら、頭に小さく口付けを落とす。

「はあ……まさか他のジョジョには会ってないだろうな?」
「え、は、はい、ジョナサン、ジョセフ、承太郎の三人だけです。……でも、あの、実は……えっと、忘れ物しちゃったので、またお邪魔したいな、なんて……思ったり、してるんです、が……」

恐る恐る見上げながらそう囁くと、目の前の男たちが青筋を立てたのが彼女にもはっきり分かった。
ついでにこのことは今言うべきタイミングではなかったということも。
やばい、と、経験的にも本能的にも察し、なまえの頭のなかではけたたましく警鐘が鳴り響いた。

「あ、ああああのっ、ほんと、ただお会いしただけで、特になにもなかったんでそれほどお気になさらないでくださ、っ、ぁ! んんっ、」

ディエゴが腹立たしげに舌打ちして、なまえの桃色の小さな唇に噛み付いた。
抵抗しようと彼の胸を押した手は、後ろにいたディアボロによって掴まれ後ろ手に拘束される。

「もう二度と会いたいなどと言えぬよう、しっかり躾けねばなるまい?」

カーズもなまえの足首を手にして、粟立つ肌の露出する面積を広げるように、彼女の長めのスカートをめくり上げた。
分かりやすく四肢の自由を封じられ、なまえは打つ手なし、詰んでしまったことを今更まざまざと実感して、絶望に色をなくした。
イライラと歯噛みしつつ、ディエゴはその細い爪先で脇腹をなぞるように撫で上げる。
首筋や鎖骨に甘噛みしながら、鬱陶しげに目を細めた。

「そりゃあそうだな……なまえ、お前のその体にあいつらが触れたなんて考えただけで、殺してやりたくなる」

力強い腕に服の上から体を撫でまわされ、微かに灯った劣情の火がなまえの内をじりじりと浸食しはじめた。

「や、だめっ……!」

なまえはなんとか逃れようと、彼らに比べると極端に小さな体をよじる。
夜色の髪が乱れるのも構わず抵抗するが、せいぜい愛玩動物がじゃれる程度にしか受け取られず、男たちを振りほどくには至らない。

「一旦堕ちると従順なもんだってのに、なあ、なまえ、早く素直になったらどうだ?」
「ディアボロさ、んぁっ、や、んっ、んんっ……!」

ディアボロによって後ろから抱き締められたまま、有無を言わさぬよう強制的に塞がれた唇に、拒否の言葉はかき消えた。
強引に重ねたくせに、口内で蠢く舌はゆるゆると溶かすように優しいもので、強張っていたなまえの身体から次第に力が抜けていく。
時間かけて仕込まれた身体は、それだけで気持ちよさにゾクゾクと肌を粟立たせた。

「んんっ、んく、ふぁ、あぅ……」

ちゅくりとやわらかな舌が絡み、吸われ、しっかりと躾けられたなまえは、流し込まれる唾液をおとなしく、寧ろ甘えるように喉を鳴らして嚥下した。
拒絶する声音はやがて、鼻にかかったような甘ったるい声へと変化していた。

そうして彼女が思考すらも溶かされそうになっていると、ディエゴの慣れた手付きによっていつの間にか上半身を露出させられていた。
中途半端に脱がされたブラウスが、拘束された腕に絡まる。
外気に触れた白い肌は既にうっすらと桜色に上気し、晒された乳房が頼りなげに揺れた。
彼は色付きはじめた薄紅色の乳首を急に摘まみ上げた。
口腔をねっとりと愛撫され、たゆたうような快感に浸っていたなまえは、急な刺激に驚いてぱっと唇を離した。
しかし、欲にまみれた「ひうぅんっ」という嬌声も、執拗に口付けを繰り返すディアボロによって、顎と後頭部を押さえられてすぐにくぐもったものとなってしまう。

「んくっ、ふぁあ、んんっ……!」

ディエゴはなまえの硬く尖った乳頭を、ぎりぎり苦痛を感じない程度に、しかし決して優しくはない強さで嬲る。
四肢を囚われたなまえは深い口付けの合間、途切れ途切れに湿った熱い息を漏らすことしか出来ない。
指をめり込ませるようにして白い双球を揉みしだかれ、ぴくぴくと細い肩がふるえる。
まろやかな膨らみは彼の手の動きに合わせ、悩ましげに形を歪めた。
ずくりと腰の奥まで響くような疼きが、躾けられたなまえの身体を貫く。
熟れた美房を揉みしだかれ、時折思い出したようにいたずらにぎゅっと硬くしこった乳首を摘ままれる。
その気まぐれのような淫らな刺激に、なまえは敏感に反応してしまう。
男たちの手で淫猥に育てられたやわらかな乳房を存分に嬲られ、なまえは既に息も絶え絶えだった。

「んぅ、あ、……っ、きゃぁっ!?」

ディエゴが鎖骨下を強く吸い上げ鬱血痕を残していると、既に殆ど消えかけているとはいえ、鋭すぎる嗅覚はうっすら残るジョースターの残り香を探り当ててしまう。
チッと小さく舌打ちし、そのとろけるような房球に歯を立てて噛み付いた。
彼女は一際甲高い声を上げ、身をよじらせる。

「いっ……! やら、ディエゴく、痛いのぉっ」
「痛くなかったら罰にならないだろ」

がぶがぶとそのまま甘噛みされ、じわりと滲んだ血をべろりと舐め上げられる。
なまえは白藍の雫で瞳を潤ませながら、上手く働かない思考のなかで、自分の身体の反応に戸惑っていた。
痛い、痛いはずなのに。
なまえはぞわりと痛みとも悦楽ともでき出来ない昂りに襲われ、涙で潤んだ瞳を一層とろけさせた。
浅ましく育てられた肉体は、痛みすらも興奮の材料になり果てていた。
瑞々しく張りつめた柔乳は、じくじくとした疼きを発している。
それは毒のように全身を回っていく。

容赦なくディエゴの手や唇に乱され、堪らずなまえの片脚が空を掻くようにびくんと跳ね上がった。
それが床へと落ちる前に、大きな手で捕らえられる。
なまえが涙の膜の張った目をしばたたかせれば、彼女のか細い足首を手に、カーズがにやりと笑った。

「ふ、っ、ぅあ、カーズさ、」
「くく、なまえ、」

何をするか察したなまえは、上手く力の入らない脚をばたつかせようとする。
しかしすぐに彼の口腔に足指を含まれ、その抵抗も無意味なものとなってしまった。
にゅぷ、じゅぷ、と耳を塞ぎたくなるほど淫蕩な音が辺りに響いた。

「ひっ、や、だめ、だめ……そんな、あっんぁっ」

足を引こうとしても、言葉はすぐにくすぐったさをこらえる不明瞭な喃語になり果てる。
あまりのくすぐったさに、溢れる涙が増す。
言いようのないぞわぞわとしたものが背筋を駆け抜けるが、そこには確かに、淫らな喜悦が存在していた。
くちゅり、といやらしい音を立てて足の甲、くるぶし、足首を愛しげに舐め上げ、やわらかな脹脛をきつく吸い上げ、赤い所有痕をつける。
やわらかな爪先すらからも快感を拾うよう仕立てあげられていたなまえは、その唇や舌にも従順に一つ一つ愛らしい反応を返した。
カーズは目を細めて口の端をゆるめ、ぬめる舌は太腿にまで到達し、そこにも鬱血痕を一つ二つと残していく。

先程ジョナサンの手によってきれいにしてもらったばかりのスカートは乱雑にたくし上げられ、既にぐちゃぐちゃに皺が寄ってしまっていた。
それを一気に下着と共に脱がされれば、びりっと音を立てて、それらは用途を果たすことの出来ないただの布きれに変貌する。
なまえはその荒々しさにびくりと身をすくませた。

「あァ……そのように怯えるな、ますます泣かせたくなるだろう」
「っ、ひ……あぁン、あ、は、は、あぅ……」

あやすように内腿をやわらかく撫でられ、びくっと腰が跳ねた。
いつの間にか彼女は夜色の瞳いっぱいに陶酔を浮かべ、とろけきった表情は恍惚に染め抜かれていた。
晒された蜜口からは、まだ一度も触れられていないというのに、既にしとどに愛液がこぼれ出ている。

しつこいほど絡み合い、吸われてやや腫れぼったくなった唇をはなし、ディアボロがその花唇を撫で上げた。
ぐちゅ、と淫らな水音を響かせ、彼女からこぼれ出た蜜液は彼の手を汚していく。

「もうこんなに濡らして、本当はこうされたかったんだろう」
「ああぁんっ! やっ、あ、あ、ちがっ、」

ディアボロは彼女を後ろから抱き締めたまま、粘膜の浅いところだけをにゅぷりにゅぷりと擽る。
熱に浮かされたように違うのと呟いたなまえの目尻、赤く上気したそこに、ちゅ、と軽く口付けを落として、ディエゴは何が違うんだ、と意地悪く囁いた。

「まさかこれほど濡らしておいて、嫌だなんて言わないだろ?」

瑞々しい乳房につけた自分の歯型をべろりと舐め上げ、羞恥を未だ覚えているらしいなまえに、さっさと素直になれ、と言い聞かせる。

「なまえ、我々は心底優しいと思わないか? お前の承諾を得なければ挿入することもないのだから、なァ?」

カーズは皮膚の薄い敏感な内腿に鬱血痕だけではなく、歯を立てて噛み痕も刻みながら囁いた。
そこからもじわりと血が滲んだ。

「ふぁ……んっ、い、痛いの、っあ、ああぅ、やら、」
「嫌なのか?」

くすくすと底意地の悪い笑みが落ちてくる。
全身くまなく男たちの手や舌で溶かされているくせに、未だ一度も達していない肢体は、本人の意思とは関係なくそれだけの刺激では足りないと、狂おしいほどの熱に苛まれていた。
霞んだ頭のなか、ただ快感を追ってしまいたいという本能的な欲求ばかりが体積を増していく。
しかし、ほんの微かに残った理性が邪魔するのか、完全に堕ちて自我を手放すことを恐がり、ゆるゆると力なくなまえは首を振る。

その小さな唇を懸命に開閉させて必死に呼吸していると、彼女を後ろから抱き締めていたディアボロが、何かを企んだように喉の奥で低く笑った。
その笑みを浮かべたまま耳の後ろに軽く口付けると、ふいに、指を伸ばした。
しとどに蜜液をこぼす膣口の後ろ、淡褐色に染まる後孔に。

「〜〜っ、ひっ、うああぁっ! やっやだぁっ、そこ、だめぇ……!」

白い尻丘を割り開き、ぐにゅぐにゅと狭い窄まりに指を遊ばせる。
なまえはとろんと潤んでいた瞳をはっとしたように見開き、ぐったりと横たわっていた肢体が強張る。
しかし抵抗も空しく、彼女自身から分泌された淫蜜にまみれる中指と薬指は、驚くほど簡単に菊園に挿入されてしまう。
後孔は異物を弾こうとする抵抗を見せるものの、今までも何度も受け入れさせられてきたソコは貪欲に蠢いた。
彼の指にぐじゅぐじゅと暴かれ嬲られ、やがて小孔はヒリつくようなもどかしい喜悦すら芽生えさせてしまう。


「あ、あぁ、あ……やめ、ぅく、ひぅんっ」

決して達しない程度に最も敏感な秘豆をゆるく擽られつつ、同時に後ろの直腸すらも蹂躙される。
がくがくと腰が揺らぎ、白い背を反らして身悶えながら、なまえは焦点の定まらない潤んだ瞳で懇願した。
もどかしい、苦しい、いつものように絶頂に追い立てられるほど激しく愛撫され、ナカを埋めて突き上げてほしい。
幾度となく喜悦の味を覚え込まされた肢体は、可哀想なほどふるえ、まともな思考すら焼き切ってしまう。
濡れた唇はもう彼女自身では制御できないほどに言葉を紡いでいた。

「っううぅ、……い、イかせて、なまえね、苦しいの、はやく、はやく、もう……イキたいの、きもちよくなりたいのぉっ……!」

どろどろに全身を溶かされているのにも関わらず、その実一度も達していない肉体。
内を焦がし続ける疼きに耐えられず、己れを犯す男たちに救いを求めるように手を伸ばした。
正面にいたカーズはその手を取り、しっかりと抱きすくめる。
彼女の要求通り、はしたなく口を開いた濡壁を無理やり押し拡げるようにしてゆっくりと挿入していく。
指とは比べようもない太く硬いものが肉襞を掻き分けて押し入ってくる感覚に、なまえはしっとりと汗の浮く総身を引き攣らせた。

「は、ひっ、んあああぁっ! ――ひ、ひぁ、あ、あ……ナカ、熱いぃっ……!」
「は、先にカーズか……」
「そう気を落とすなディアボロ、ここが開いているだろう」

正面から強く抱きすくめられ、膣口を大きすぎる剛直に貫かれる。
浅ましいほどの愉悦の嬌声を迸らせながら、なまえは白い背を反らしてあっけないほどすぐに達した。
凶悪すぎる太さや大きさに、全身に玉のような汗を浮かべ、なまえは耐えられないとばかりにふるえ続けていた。
やっとナカを埋めてもらえた膣壁は、歓喜してきゅうきゅうと収斂を繰り返している。

必死に浅く息を繰り返すなまえに口付けながら、挿入したまま動かさずにカーズはにやりと笑む。
挿入されたばかりで未だ少女は呼吸も整わないままだというのに、膣口のすぐ後ろ、ぐずぐずにほぐれた後孔を、くぷ、と開かせた。

「ひっ――、や、やらぁっ! やぁっ、あっ、あうぅ……ん、んんっ」

意図を解して拒否の言葉を発しようとした唇は、力強く抱きすくめるカーズによって口付けられ封じられた。
抱き込まれたなまえは彼の逞しい腕に縋りつき、ギリッと爪を立てる。
しかし爪痕を残すことすら彼の屈強な肉体には出来ない。
寧ろその刺激を愉快そうに見やり、カーズは長い深紫色の髪を揺らして笑みを浮かべた。
あやすように軽い口付けを繰り返し、巨大な怒張で膣奥を、一、二度突けば、ひ弱な抵抗も収まる。
淫猥に絡みついてくる甘壁を擦り上げつつ、後孔をその指で開かせると、更に締め付けは強くなった。

今までも幾度となく受け入れさせられてきた菊園は、彼女自身から分泌された粘液を潤滑油にして、ディアボロの熱く滾った肉棒をゆっくりゆっくり時間をかけて咥え込んでいく。
恥ずかしい孔をぐぐっと無理やり拡げられる違和感と圧迫感。
なまえは、ひっと息を飲んだ。
鼻先でばちばちと火花が散る。

「〜〜っ! やらぁっ、ンっ、んくっ、は、ひぅぅんっ! ああっ、や、おなか、いっぱい、ひぅ、んっ、く、苦しっ……!」
「っはあ、こっちは久しぶりだからか? ふ、……狭い、なっ、」

根元まで埋め、みっちりと狭穴のもたらす強い締め付けに、ディアボロは深く息を吐いた。
肉壁越しに、同時に彼女の膣内を犯しているモノの脈動が伝わる。
俯いてさらりと流れたブーゲンビリア色の髪となまえの黒髪が混ざり、場違いなほどの陶酔めいた甘さを胸に覚えた。
たまらずディアボロがか細い体を掻き抱けば、彼女自身の香りにずくんと腹奥に更に熱が溜まる。

なまえは自分の体内から感じられる別の生き物の脈動に、夜色の髪が乱れるのも構わず頭を振りたくった。
内臓を押し上げられるかのような苦しい程の圧迫感に耐えきれず、涙で霞む視界のなか、しゃくりあげるようにして泣く。

「ンふぅんっ、ああっ! うごかないれぇっ、ひっ、や、あ、あ、こわれゆっ、ひぅっ、なまえっこわれちゃうぅっ……!」
「っは、壊れてしまったら、忌々しいジョースターの所へも行かずに済むな……?」

にたりと笑んで、彼女の可憐な桃色の唇を吸いながらそんなことをのたまうカーズに、なまえは哀れなまでにふるえ、眉を寄せた。
しかしその淫蕩に咽ぶ表情すら、彼らの劣情を掻き立てる要素になるということを彼女は知らない。
彼らにとって慣れた行為だというのに、そんななまえの声や表情や香りにすら、いちいちざわりと腹の内から熱が込み上げる感覚を抱くのはなぜだろうか。

男二人に挟まれたなまえは眉を情けなく下げ、口の端からはだらしなく唾液を垂らしていた。
発情した牝のようなとろけた顔で、ひっきりなしに善がり声を上げる彼女の淫猥さは凄まじい。
荒く呼吸を繰り返しながら舌足らずに泣き、許容量を超えた法悦に、なまえは自我を手放したかのようにされるがままだった。

いつの間にか彼らの律動に合わせ、彼女自身も挿入をスムーズにするよう細腰を揺すり立てていた。
こういった性的な行為には縁遠そうな、楚々とした愛らしい少女のそんな淫らな姿は、男たちをますます昂らせるには余りあるほど煽情的だ。

カーズ、ディアボロ二人に好きなように突き上げられ、か細い肢体がおもちゃのように跳ねる。
たわわに実った乳房が、その律動に合わせたぷんたぷんと揺れ乱れた。
大きく上下するなまえの房球、その揺れすらも淫らすぎる。

「なまえ、」
「〜〜あっあっ、うあぁんっ、はあっ、きもちいいのぉっ、ひゃぁうんっ! でぃ、ディエゴ、くん、あっんっ、んんぅっ!」

カーズの逞しく頑強な胸板にぐったりと預けていた頭を上げさせられ、ディエゴに唇を奪われた。
細めた目尻からぼろぼろと白藍の雫がこぼれ、それをも舌で拭い取られる。
そのまま眼球すらも舐められ、胎内は悲鳴を上げるようにぎゅっと収斂した。
その強烈な締め付けに、挿入している二人は低く呻いた。

突き上げは最早、刺激というよりも衝撃に近い。
ズッ、ぬぷ、と前後バラバラに揺すぶられれば、か細い肢体は痙攣してその粘膜の締め付けを一層強くし、更に貪欲にずぶずぶと怒張を咥えて蠢動する。
子宮や直腸を持ち上げられるような凶悪な衝撃に、無理やり受け入れさせられた細腰がバウンドした。
夜色に輝く髪も一房二房跳ね踊り、濡れた身体に張り付いている。
絶えず甘ったるい嬌声を迸らせる唇は、いつしか被虐の悦びに、淫靡な笑みすら浮かんでいた。

何度達しただろうか。
先程まで焦らされていた反動といわんばかりに、幾度となく果てさせられる。
絶頂のたび目の眩むような閃光に繰り返し襲われ、なまえは殆ど意識も手放さんばかりだった。
いま自分が達しているのかそうでないのかすらもよく分からない。

彼女にとっては永遠にも思われた律動も、またも跳ね上げられた絶頂を追うようにして体内に流し込まれた彼らの白濁によって、ようやく解放された。

「ひ、はあっ、はっ、あ……ぁー……」

糸の切れた人形のようにくたりと寄りかかるなまえを抱き締め、ディアボロは肉茎を抜いた。
ぐぷ、と、いやらしい水音が漏れ、本来受け入れる機能のない孔から白濁が滴り落ちる。

「あぁ、ぁん……」

その刺激にすら少女は小さく声を漏らし、ぴく、と四肢をふるわせた。
なまえは見ていて可哀想になるほど快楽漬けにされ、忘我の境地から降りてくるのに数秒を要するほどだった。

「なまえ、なまえ?」
「あー……飛んでるな」
「おい待てまだオレ挿れてないんだぞ」

身体を作り替えられてしまうのではないかというほど注ぎ込まれた精液を掻き回され、なまえは目を閉じたままびくんっと腰を跳ねさせた。
その時。

「――ならば目覚めさせれば良いだろう」
「遅かったなァ、吸血鬼」
「チッ……このDIOの棺の前で愉しみおって」

ギギッと頑強な蓋が開けられ、鮮紅色の瞳を光らせながら、DIOが忌々しげに呟いて出てきた。
窓の外では名残惜しげに居座っていた太陽もとうとう沈み、夜色を基調とした複雑なグラデーションを織りなしていた。

「これほど太陽を忌々しいと思ったこともないぞ……」

DIOは舌打ちしつつ、くたりと四肢を投げ出したなまえを抱き締め首筋に顔をうずめ、すんと鼻をならした。
言われなければ気付くことは出来ない程度とはいえ、ひとならざる彼が嗅ぎ探せば、確かにそのやわらかな肢体からはうっすらと微かにジョースターの残り香が感じられる。

「なまえ、起きろ」

唾液の垂れる口の端に軽くちゅ、ちゅ、と口付けを落とす。
次いで既に幾つも赤い鬱血痕の散る首筋をべろりと舐め上げ、……しっとりと汗の浮かぶそこに、鋭い牙を立ててがぶりと噛み付いた。

「――ひぃあっ! い、いた、痛いっ……っ、うぁ、は、はあっ、」

いつもの吸血行為よりも数段、深く、強く、肉を抉られる。
酩酊する意識に沈んでいたなまえは、あまりの痛みに大きく目を見開いた。

「大丈夫か? なまえ」
「っふぁ、え、あ、……でぃお、さん……?」
「大丈夫かってお前が聞くのおかしいだろ」
「黙れ」

伝い流れる真っ赤な血液を舐め取り嚥下しつつ、DIOはその肢体から嗅ぎ取るには殆ど難しい程度に消えかけたジョースターのにおいに目を細める。
愛しいこの少女の体から、ごく僅かとはいえ奴らの残滓が纏わりつくなど、彼には到底許せることではなかった。
いっそ本当に抱き潰してやろうかと、痛苦に咽ぶ彼女の首筋から、未だ流れる血液を舐め上げる。

どくどくと血を溢れさせる裂傷は吸われる度、じくじくと焼けるような痛みを生み、疼く。
しかし恐ろしく浅ましいことに、躾けられた身体はそれすらもいつの間にか悦楽と混濁し、なまえはまたじわりと陶酔に潤む瞳から雫をこぼしていた。

「なまえ、お前に触れられず棺の中に独りだった私を慰めてくれるな?」
「んぅ、はぁっ、あ、DIOさん……」

深く重ねられた唇、血の味のする口付けを従順に甘受する。
汗に塗れた背筋をゆっくりと撫で上げられ、なまえは喜悦の残り火がうっすらと燻る肢体を小さくふるわせた。
精液と膣液とが混ざりあったモノをしとどにこぼす蜜口は、先程ナカを埋めていた怒張の余韻か、それともまだ足りないとでもねだっているのか、はしたなくこぽりと口を開いて彼を誘っている。

「DIOもこう言っているのだ、一度で終わるわけもなかろう」
「カーズさ、はあっ、んンっ、くるし……」

血の味のする口付けから解放された小さな口腔に、白濁を吐き出したばかりだというのに硬さを失っていない巨大な剛直を咥えさせられる。
なまえは反射的に、じゅ、と切っ先に僅かに溜まった残滓を吸い上げた。
しっかりと躾けられた肢体は、その味にまたどろりと悦楽の熱が掻き立てられるのを拒めない。

「可哀想に、化け物共に嬲られて、なあ、なまえ」
「でぃあぼろさ、ん、はぁっ、あ、あ、」

ディアボロは慰めるように、慈しむように優しく髪を梳くが、もう片方の腕は彼女を逃がすことのないよう、手指の痕がついてしまうほどしっかりと腰を捕らえている。

「もう、もう、はあぁン、は、あ……苦しいの、やだ、ああぅ……なまえ、やら、やなの、ゆるして……」
「嫌だじゃあない、もっと、だろ?」

白濁の滴る後孔をぐぷ、ぬぢゅ、と掻き回され、なまえはいやいやをするように頭を振る。
ディエゴはその菊園から精液を掻き出しつつ、赤く火照ったうなじにまた噛み付いた。
彼のベビーブロンドの明るい髪色が、なまえの霞んだ視界に眩しく映った。

宵の宴は果ての見えぬほど。
幾度となく口腔にも膣内にも後孔にも挿入され、嬲られ、終わりの見えない悦楽に、やがてなまえは全身を白濁に汚したまま意識を手放した。
その身体は、いかに彼らの鋭敏すぎる嗅覚を持ってしても決して、彼ら以外のにおいを感じ取ることなど不可能なほど埋め尽くされていて。
やり過ぎたなと肩をすくめる彼らの中央、意識を手放したなまえは、その日は二度と目覚めることはなかった。

その後帰宅した吉良にドッピオが泣きつき、青筋を立てた彼が容赦なく全員を爆破したのは、深く眠りの淵に沈み込んでいた彼女の知らぬこと。

ちなみに翌日目覚めたなまえは、起き上がることも出来ずに一日布団で過ごすことになってしまった。
全身には、痛々しいまでの吸い痕に噛み痕、裂傷、手指の痣痕などなど。
高熱が出たときのように至る所の関節が痛み、酷使させられた体はささいな身動きにも悲鳴をあげる。
寝返りすら満足に出来ないなまえはぶちギレて、「四人とももう二度とわたしに触らないでください寧ろ近寄るな」と宣言した。

その後数日に渡って、珍しくご機嫌取りに勤しむ彼らの姿が見られたとかなんとか。

最果ての宵
(2014.12.05)
- ナノ -