赤井さん中編「悪夢」、ご覧くださったなまえさま、ありがとうございました!

この中編は、先日BSテレビでクリストファー・ノーラン監督脚本制作「インセプション」(2010)を放送していたのがきっかけです。
何度も何度も繰り返し見た作品なのですが、本当に好きな映画で……。
これから見る方の楽しみや喜びを奪わないために詳しくは言えませんが、ラストシーンがあれほど印象的なものもないのではないでしょうか。
何度見ても、ラスト、「倒れろ……倒れてくれ……」と祈ってしまいます。
数年は経っているはずなのに子供たちが全く成長していないのは、あれが夢のなかだからなのでは……?
いや、記憶のなかでは娘が履いていた靴はずっと黒だったのに、ラストシーンでは赤い靴、だから現実なのでは……?
最後のセリフ、「がけの上のおうち!」というセリフすら暗喩のようで怖いです。
そんなことを考えだすと、頭がどうにかなってしまいそうです。
ハッピーエンド至上主義者なので、わたしは、あれは現実だよ派です。
もしご覧になったことがないという方は、機会があれば是非ご鑑賞ください。
わたしはアーサーと結婚したい。
洋画ページではいまは下げていますが、アーサー夢を心から欲しています。

映画を見ている間、あ、こういうお話が書きたい! と思い、その日の勢いで夜なべしました。
本来は一話完結の予定でしたが、書いているうちに気付けば伸びに伸びて五話中編になっておりました……おかしいなー?
書いている間、とっても楽しかったです。

映画は、多層構造である深層心理の世界を下へ下へと潜っていくものでしたが、この中編では、横から横、並行世界(過去あるいは未来、同時進行で現在)を移動しているイメージで書きました。
三話目「夢を見る夢を見る」で、西日が目に刺さるように眩しいというシーンがありますが、これは現実世界で、医師が夢主の眼球にペンライトを当てているところ、夢のなかでも「眩しい」と感じられる……といった感じです。
他にも現実とリンクしているシーンがちょこちょこあるので、もし見付けてくださったらこっそり嬉しいです

また、一話目「夢を見る」の舞台は原作35巻のニューヨークでの事件のときの赤井さんをイメージをしていました。
あのときの完全悪役の赤井さん、めちゃくちゃ好きです……。
タクシードライバーのおじさんに通り魔に間違われる赤井さん面白くない? 好き……

副題の「A Dream Within A Dream」はエドガー・アラン・ポーの同名の詩から。
「わたしたちが見たり感じたりしていることは、所詮は夢のなかの夢なのか?」、ぴったりだなと思いまして。

また、蛇足ですが、連載ページは横長の画面で閲覧することを想定したレイアウトになっていますので、もしスマートフォン等を利用で可能であれば画面を横に傾けてみてください。
素敵なテンプレ―トサイトさまにお世話になりました。ありがとうございます。

映画を見てはじめに浮かんだのが、夢主の「あ、これ、夢だな。」ではじまり、赤井さんの「まるで悪夢だ。」で終わるというものだったためこの中編はここでおしまいですが、ハッピーエンド至上主義者なので、このあとは夢主の目が覚めて大団円の予定です。
意識の戻った夢主に赤井さんがその場でプロポーズし、一緒にアメリカへ行って、幸せな家庭を築くでしょう。
ただ、将来的に、――例えば洗濯物を畳んでいるときだったり、生まれた子供に朝起こされるときだったり、あまりにも強い既視感によってパニックには陥りそうですよね。
これは本当に現実なのかと。(不穏)

短い中編でしたが、お付き合いくださったなまえさま、ありがとうございました!

つみ
(2018/03/08〜2018/03/14)


※2018/07/16追記
内容を鑑みて、納涼オムニバス企画「酷暑」内へ移動しました。
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