澄んだ秋空が広がり、大きく開けた窓からは肌寒い風が吹き込む、最近はそんな穏やかな日が続いている。
日中はとても気持ちの良い気候だけれど、ただでさえ寝起きの余りよろしくないわたしがますますお布団から出られない朝が増えてきた。
仕方ない、寒い外気とお布団の温かさが悪い。
そう、寒いのだ。夜は特に。
だというのに。

「なんて格好してるんですか二人とも……」
「は?」

テレビを見ていた二人が振り返る。
何を言っているんだと言わんばかりの顔で首を捻ったカーズさんとDIOさんに、びしっと指をさした。

「見てて寒いんですよ! ちゃんと服を! 着て!」

相も変わらず半裸というには肌色の比重が多すぎるカーズさんと、カーズさんに比べればまだマシなものの露出の高いDIOさんに声を上げた。
ご本人たちは面倒くさそうな顔をして自分は寒くないとおっしゃる。
それはそうでしょうけれども、見ているだけの関係ないこっちが寒くなってくるという心情をどうにか、理解……ああ、この二人はしてくれそうにないなあ……。

項垂れつつも諦めずにテーブルをぺちぺちと叩いて抗議するわたしを黙らせようとしたのか、いつものように膝へ抱き上げてこようとしたDIOさん。
いつもなら大人しく膝上に収まるわたしだけれど、伸ばされた手の温度がひんやりというよりも寧ろ冷たくて、べちっと叩き落とした。
いや、だって無理。寒い。

「……なまえ」
「DIOさんの手が冷たいんです」

恨めしげな声と目を向けられるけれど、わたしは悪くない、多分、きっと、おそらく。
少なくとも、代わりにとばかりに抱き上げてきたカーズさんに誰が悪いか尋ねたら、間違いなく(もちろん嫌がらせで)DIOさんだと答えてくれるだろう。

カーズさんに向かい合うように膝上に乗せられたので、眼前に晒された見事な胸筋やら腹筋やらをぺたぺたと遠慮なく触る。
何をどうしたらこんなに鍛えられるんだろうか……さすが戦闘民族。
仮にただの人間だったとしても、筋肉って温かいらしいし、これだけ強靭に鍛えていたらあんまり寒くなさそうだなあと暢気に考えた。
でもだからといってわたしに鍛える予定はないです、なんたって楽して痩せたいなんて言う典型的な面倒くさがりだからね!

大人しく触らせてくれているカーズさんはといえば、何が楽しいのか分からないといった顔だけれど、文句も言わず笑っている。
そういえば吸収されるかもしれないと怯えていた頃もあったなあと、遠い昔、こちらに来た時のことを思い出した。

「なまえ、私も触って良いぞ!」
「寒いので結構です」
「残念だったなァ、吸血鬼」

にべもなく返すとギリギリと歯噛みする音が聞こえた。
どうしよう、怖い。
まあ、何かあったら、DIOさんに対して優越感に浸りながらあくどい笑みを浮かべているカーズさんがどうにかしてくれるだろうとタカを括っていた。
出来ることなら、その時のわたしに向かって言いたい。
ロクなことにならないからすぐに逃げろと。
DIOさんにはチート過ぎるスタンドがいるのだということを、その時どうして失念していたのか、未だに自分でも理解できない。
数時間後、後で悔いるから後悔って言うんだなあ、と、軋む身体をぐったりと横たえてわたしは思った。




余程腹立たしかったのかDIOさんが実力行使に出て、カーズさんとひと波乱あったのもつかの間。
適当に応援していたわたしに(正直テレビを見ていて何も聞いていなかった)、二人が同時に目を向けた時にせめて逃げていれば良かった。

「え? どうしたんですか、二人とも」

突然テレビの電源を切られ真っ暗になった画面に、わたしのまぬけ顔が映った。
有無を言わせず腕の中に閉じ込めたDIOさんに、唇を塞がれる。

あっ、これはやばいと気付いた時には既に二人によって逃げ道は封じられていた。
さっきまで敵対していたじゃないですか、何なんだその連携。

――悲しいかな、強制的に唇を塞がれたわたしが次に口を開くことが出来たのは、二人に身体中を撫でまわされ、ぐずぐずに溶かされて甘ったるい喘ぎ声しか吐けなくなってからだった。
かわるがわる深すぎるキスを与えられ続け、まるでお酒を飲んでしまった時のようなふわふわとした酩酊感が身体中をまわる。
まるで頭の芯を蕩けさせてしまうかのようなキスを与えられると、ぼんやりと思考が鈍ってしまうのはわたしの悪いところだと分かっている。
分かってる、のに。
どうしてもその甘ったるい陶酔感に抗うことが出来ない。
だって、こんなに気持ちいい。
どうしてキスだけなのに、こんなに気持ちいいの?

そんなことを考えている間にも、もう濡れてしまっていたソコをくちくちと指の腹で弄られ、拡げられ、わたしはばかみたいに喘ぎ声を漏らすことしか出来ない。
乱れた呼吸を落ち着かせるのに必死で、酸欠気味の頭にはその間、二人が交わしていた会話なんて入ってこなかった。

「なまえ、」
「DIOさん、はぁっ、あぅ、」

名前を呼ばれて顔を上げれば、正面ににんまりと憎たらしい程に楽しそうなDIOさんのきれいなお顔。
優しく顎を掬われ、目を閉じてねっとりと唇を重ねた。
いつものように思考まで溶かされてしまいそうな、舌と舌をゆっくりと音を立てて絡める口付けに酔う。
気持ちいい。
思考だけじゃなくって、物理的に身体もどろどろになってしまいそうだった。
上体を支えてくれるのに甘え、ぐったりと力を抜いて身を預けていた。

他のことなんて考えられなくなっていた、その時。

「――ひっ、あ、あああぁっ!」

腰を上げさせられたと思ったら、後ろからゆっくりと挿入された大きくて熱いカーズさんのソレ。
思わず背がくっと反った。
急襲に近い強すぎる刺激に、涙の膜の張った目を真ん丸く見開いた。
自分の体じゃないみたいに力の入らない下肢が、わたしの意思とは関係なくびくびくっと跳ねる。
く、と息が漏れた。
大きすぎるそれは、簡単にわたしの一番奥まで届いてしまう。
腰をぐっと持ち上げられ、上手くバランスの取れないわたしは床に倒れ伏すしかない。
内臓を押し上げられるかのような感覚に、一瞬、意識が遠のきかけた。

「は、ッ、そんなに締めるな、なまえ」
「っ、あうぅっ……だって、だってぇ……! ふう、っ、はっ、はあっ、あっ……!」
「突然挿れるとはなまえも可哀想に。なまえ、今軽くイッたな?」

か細い肩をふるわせ、はーっ、はーっ、と、大きく息を吐くなまえの頭を撫でて、DIOは愉悦を含んだ声でそう軽口を叩いた。
意識の混濁している彼女の膣内に根元まで挿入させたカーズは、一度大きく息を吐いてDIOのからかいを黙殺し、口の端を歪めて狭い蜜奥がもたらす強烈な収縮を堪能した。
若い膣には雄のものは太く長過ぎて、なまえは哀れなまでにひっ、ひっ、と浅く呼吸を懸命に繰り返すことしか出来ない。

何度犯しても蜜壷は生娘のようにきつく締め上げてくるが、それでいて熟練の娼婦のようにひどく淫らに肉茎を咥え込んでいた。
みっちりと蜜孔を埋める肉棒を暴れさせて律動を開始したい欲求を堪え、敢えて動かさず、肉壁が貪欲にうねり、粘膜同士が馴染んでいく感触をカーズはじっくりと味わう。

「ひあぁっ、ぁー……ふ、んんぅ……は、はぁっ、か、カーズさ、カーズさんっ」

力の入らぬ腕を叱咤し、なまえは上体を懸命に支えながら振り向いた。
細い喉を反らせて自分を犯す男を見上げ、途切れ途切れに名前を呼ぶ。
濡れた瞳がとろりと淫靡に揺らめいた。
嗅覚を塗り潰すかのようななまえの淫香が、部屋に充満する。
カーズが誘われるまま、助けを求めるようにはくはくと開閉する小さな唇を彼のそれで塞げば、これ以上ないという程ぎっちりと咥え込んでいた膣粘膜が、更に甘美な締め付けをもたらした。

「はっ、んうぅっん、……あぁっ!」

猛る剛直を敢えて動かさず、くちゅくちゅと唇を重ねていると、溺れるような陶酔感にたゆたうなまえはなまめかしくそれに応える。
くちゅり、と淫猥な水音と、飲み込みきれずあふれた唾液が、重ねた唇の隙間からこぼれた。
甘ったるいあえかな嬌声がひっきりなしに上がり、やわらかな舌が絡み合うたび、反らした白い背がぴく、ぴく、とふるえる。
見ているだけで昂ぶりを覚える程の口吻に、それを映していた紅の瞳を細め、DIOはふるふると雄を誘うように目の前で揺れ動いていた柔乳の先端をつまんだ。

「ひゃあぁっ! やぁっ、DIOさんっやめ、」

ぐにぐにと既に固くしこり立っていた乳首をつぶすようにいじられ、カーズに掴まれたままのなまえの腰がびくびくっと痙攣した。
桜色に上気したやわらかな乳房は男の手を悦ばせ、薄紅色に染まった先端はますます痛い程に張りつめていた。
ただでさえ最も敏感な膣粘膜を抉られているというのに、瑞々しくたわわに実った乳房を淫らに攻められる。
なまえは酔いしれていた甘い口付けから目覚めたように、目を見開いて唇を離した。

「チッ、邪魔するな、吸血鬼」
「一人放っておかれて暇だったからな、そう睨むな、化け物。それにいい加減、なまえも動いてほしいんじゃあないか?」

熱に浮かされたように火照る身体は、先程まで冷たいからと避けていたというのに、その冷やかな手に甘えるようにすり寄った。
ほんの数十分前までの態度とは真逆の仕草に、DIOはなまえの口の端からだらしなく垂れた唾液を冷たい指先で拭ってやりつつ、愉しげに笑った。
快楽に溺れた少女は、上手く働かない思考でただただその美しい笑みに見惚れる。
DIOはルビーの瞳をぬめるように光らせ、まともな思考の働かぬなまえの桃色の唇を、口元を拭ってやった指でゆっくりと撫でた。

「なまえ、お前のその愛らしい唇で私を慰めてくれるだろう?」

疑問の形を保ってはいるものの、諾否など問わぬ笑み。
拒否権など勿論あるはずもなく、彼女は幾度となく教えられた通り従順に、寛げられたそこに顔を伏せた。

「んむっ……っ、ふ、うっ、んぐ、」

楚々とした彼女に似合う、小さく愛らしい唇とは対極にあるかのような、赤黒く凶暴な肉棒がその口腔を犯す。
苦い先走りの味に眉を寄せたのは一瞬で、なまえは唇を大きく開き、熱く硬い剛直を口いっぱいに咥え込んだ。
規格外に大きなソレを全て口に収めることは出来ないが、喉の最も奥深くまで迎え入れ、口を窄めて自らの唾液ごとじゅっと吸い上げる。
その状態のままで舌を限界まで伸ばし、舌腹を左右に動かして裏筋をねっとりと舐る。
彼女の巧みな舌づかいに、膨れ上がった肉竿がびく、とふるえた。
それを口腔内で感じたなまえは幸せそうにうっとりと目を細めた。

「ッ、は、上手くなったものだな、」

爛れた吐息をこぼしながら、DIOは口角を歪ませる。
自分が躾けた通りに動くなまえに、誉めてやるように頭を撫でる。
少女は目元を喜びでとろりと潤ませた。
そしてもっと誉めてもらおうと淫牝の本能がそうさせるのか、愛らしい口を窄めて舌腹を使いながら先端まで舐め上げる。
涙をたたえた濡れ光る瞳は、滴る蜜のようにとろとろと恍惚に潤んでいた。
小さな両手で根元を支え、じゅぽじゅぽと下品な音を響かせて亀頭を咥え、舌の先端で鈴口をちろちろと翻弄するかのようにくすぐり吸い付く。
細い腰を掴んで抽送を開始した極太の剛根に意識を持っていかれそうになりながら、なまえは小さな唇でねっとりと口淫を続ける。

「っむ、……くぅ、ン、んんっ! んぐ、はっ」

日頃のなまえしか知らない者は、その表情を見てそれが彼女だと信じることが出来ないかもしれない。
それほどなまえは楚々とした容貌をいやらしく歪め、男たちに淫猥な奉仕を捧げて、なまめかしく身を捩っている。
その様子を見て、男たちは途方もない征服欲と突き上げるような昂揚でゾクゾクと背筋をふるわせた。
本人の意思のあずかり知らぬところで雄の欲望を際限なく駆り立てるなまえは、腰だけを上げた猥雑な体勢でくぐもった喘ぎ声を漏らしていた。

秘宮の最奥をカーズの凶悪なまでの怒張に抉られて、白い背筋が反り返る。
後ろからがっちりと腰を掴まれているため、自由に動くことすら出来ない。
その暴力的なまでの律動に追い詰められ、呼吸が苦しく唇を離そうとすれば、口腔を犯す肉棒が咎めるように喉奥を突く。
――逃げられない。
ぐちゅ、ぬぢゅ、とひどく淫らな粘性の水音と、抽送を繰り返す肉のぶつかる音とが、狭い部屋に響き渡る。
彼らが果てるまで許されることのない暴力的なまでの喜悦に、なまえは曖昧な意識のまま弄ばれる。

ふいに、熱く滾った怒張で喉奥をぐっと突かれ、じわりと浮かんだ生理的な涙で少女の視界が滲んだ。

「んんッ! んぐ、ふ……う、」
「ハッ、ナカの締め付けが強くなったぞ。乱暴にされて感じたのか? 淫乱」
「〜〜っ! ッ、はっ、んっ、んぐ、ひぅっ」

深紫色の髪を揺らして容赦のない抽送を続けるカーズに、言葉でいたぶられる。
違う、と、意思表示をしようとしても、顔を上げることは許されない。
くすくすと頭上に落ちてくる愉しげな笑い声が恨めしく、なまえは濡れた瞳で見上げた。
輝くゴールデンブロンドの髪を揺らして、DIOはその蕩けた目元を指先でくすぐる。

じゅぷじゅぷとはしたない音を口からも膣孔からもあふれさせながら、やがて喉奥と子宮口に叩きつけられた白濁に、なまえは弓なりに背を反らして嗚咽を上げた。




「なまえ、なまえ、……はあ……全く」
「お前が無茶をさせるからだ、カーズ」
「貴様が言うセリフではないのは分かっているだろうな」

ほんの一瞬間だけ、意識が飛んでいたらしい。
未だはっきりとしない思考のなか、うっすらと目を開けたなまえは、涙で歪む視界を振り払おうとまばたきを繰り返した。
目の前には愉快げに口角を上げて少女の顔を覗き込む、人ならざる者たち。

「なまえ、これで終わりだと思ったか?」
「っ、あぁッ!」

まだ私が挿れていないだろうと微笑むDIOは、胎内に吐き出された白濁を掻き出すように、ぐちゅ、ぬぷ、と膣粘膜を掻き回す。
絶頂の瞬間、唇を離したせいで顔中に降り注いでしまった生臭い精液をカーズは拭ってやりつつ、ならば私は後ろを貰おうかと、拭った白濁に塗れた指でなまえの白い臀丘を割り開いた。

「先程は口を塞がれてしまったからな、今度は存分に声を上げて良いぞ」

蜜のように甘やかな囁きが、少女の耳に吹き込まれる。
白濁に塗れた指で後孔をねっとりと撫でられる背徳的な悦びに、なまえは背筋をふるわせた。

恐ろしく不穏な言葉たちがその身に向けられるものの、意味を解する前になまえはぐずぐずに溶けきった思考を放棄し、恍惚に笑みながらあどけない幼子のように二人に手を伸ばした。
――寒さの漂いはじめたこの時期の夜は長い。

グロキシニアの花園
(2014.10.08)
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