星のまたたきの音すら聞こえるかもしれないと思う穏やかな夜。
月の高い真夜中、DIOは腕のなかで愛らしく喘ぐ少女を乱しながら、きっかけは何だったろうかと焼き切れそうな理性で考えた。

女子会と称して、ミドラー、マライアと夕食を約束していたなまえ。
帰りが遅いと夜の帳の下りたなか迎えに行ってやると、部下たちは申し訳なさそうな顔をして眠る彼女を指し示した。
なんでも、そうとは知らずに飲んだ度数の高い酒に酔い、寝入ってしまったらしい。
何かあった場合、彼女を守ることが出来る能力を持ち、なまえ自身も懐いているマライアたちと食事に行ったり買い物をしたりということは今まで多々あった。
だがこうして知らぬところで無防備な姿を晒すとは、きちんと躾をした方が良いなと溜め息をつく。

部下たちの住まうここで、たまにDIOが訪れ滞在する部屋に眠るなまえを起こすのも可哀想で、寝かせたままにしてやっていた。

「ひ、ああぁっ! あうぅ、ん、んぅっ」

甘い嬌声をこぼし、懸命にはふはふと浅く息を繰り返すなまえを見下ろすと、ゾクリと背筋を何かが駆け抜けるのを感じた。
月の光に照らされていつもより白く見える太腿を撫でつつ、そういえば最近はあまりうなされることもなかったなと思い返す。
そんな彼女が慣れない場所に独りだったのが、余程心細く感じられたのか、否か。

深夜に目を覚まし、眠れぬ独りの夜が怖いと泣いていた少女を抱き上げたのが、しばらく前。
あやすように戯れのような口付けを繰り返していると、熱に浮かされた表情を浮かべてもっとくださいと求めてきたのが、ほんの少し前。
真っ赤な顔で、幼子のようにごめんなさいと唇をふるわせながら抱き着いてきたなまえを、疎ましいなどとは終ぞ思えなかった。
寧ろ愛しく、他の誰でもなく自分を求めてくれて嬉しいと感じた自身に苦笑する。

うなされて怯えるなまえを二度とその恐怖に囚われぬようにしてやりたいと思いながら、しかしこうして縋りついてくる少女がひどくいとおしいと思うのを止められない。
彼女に関すると大層愚かな男に成り下がると自覚していて、それが不快ではないというのだから随分と毒されたものだと嘆息した。

腹立ちまぎれに蜜孔に埋めていた指を動かすと、肉の花弁を掻き混ぜられ、ますます絡みついてぐちゅぐちゅと生々しい水音が響く。
淫猥にはしたなくきゅうきゅうと彼の指を銜え込む肉壁は、更に奥へ奥へと蠢く。

愛らしい少女はとろけた表情で彼の与える喜悦に耽り、びくびくとその脚をわななかせた。
それを目の端で捉え、牙を立てずに吸いついていた首筋から顔を上げ、粘液を掻き回す手を止める。
与えられていた甘美な刺激が突然なくなり、なまえはぼんやりと焦点の合わぬ瞳でのろのろと彼を見上げた。

「う、あ、DIOさん、っ、な、なんでぇ……?」
「なまえ、ねだり方は教えただろう?」

明るいゴールデンブロンドの髪を揺らしてくつくつと愉しげに笑いながら、男は蜜の滴る膣粘膜から指を抜き、濡れたそれを見せ付けるように舐め上げる。
カッと更に増して紅潮した頬を愛おしげに見つめつつ、あくまでも選択権はお前にあると囁いた。
神のように慈しみに満ちた赤い瞳を湛えたまま、悪魔のようにいやらしい微笑みを浮かべて、男は少女の蜜孔の入り口を、たった指一本でねっとりと嬲る。
ぐずぐずに溶かされた身体は、それでは足りないとはしたなくしとどに蜜を滴らせた。

夜目にもはっきりと分かる輝く金の髪と、意志の強い射抜くような赤の虹彩がきれいだと、疼く身体を持て余しながらなまえはうつろに見惚れた。
口をつぐんだままぼんやりと濡れる黒い瞳を責めるように入り口をその熱い肉棒でゆっくりとなぞられ、無意識に腰がびくつく。

「さあ、どうする」
「っ、う……」

鮮血のようなルビーの瞳をにんまりと細めて笑う吸血鬼を、力なく睨む。
どうして、と、思った。
こうして痛い程に張りつめた突起や、口を開いて雄を誘うぬかるんだ入り口を刺激されるだけで、充分過ぎるほどに気持ち良いのに、絶頂に達することも出来るのに。
どうして、苦しいと知っているのにナカを埋めてほしいという欲求に強く襲われるのだろう。
欲しい、強く抱き締めてもらいたい、もっと気持ち良いのが欲しい、はやく、はやく。

時間をかけていたぶられた隘路から、じわり、と、また愛液がこぼれ落ちるのが分かった。
快楽に溶けた瞳を涙で潤ませ、互いの唾液にまみれた柔らかな唇を噛みしめながら、なまえはそのか弱い腕を伸ばして必死に縋りついた。
理性なんてものに固執するなんて無駄だと教えたのは、目の前で笑む吸血鬼だ。

「……っ、DIOさん、お、お願い……なまえのナカにっ、い、挿れて、くださいっ、た、たくさん……なまえを、気持ちよく、してくださいっ……!」

惚れた女にそうして求められる悦びを、この少女は理解しているのだろうかと、DIOは筆舌に尽くしがたいほどの劣情に苛まされながら考える。
羞恥にふるえながらきゅっと噛みしめた唇を、乱暴にむしゃぶりついて穢したいという衝動的な欲求。
焼き切れそうな理性でその衝動をなんとか抑え付け、壊してしまわぬよう努めて優しく口付けを落とす。
そのような配慮を過去にしてやったことがあっただろうかという疑問が脳裡をふと過ぎり、すぐさまなまえを他の女と同列に考えることすら愚かしいと小さく嘲笑した。

そんなことなど知らず、とろけた表情でなまえは溺れるほどに甘やかな口付けに酔う。
与えられるキスを従順に甘受しながら、なまえがゆるゆると瞳を開けて力が抜けたところに、猛った剛直をぐっとぬかるんだ媚肉へ挿入した。

「ひゃああぁっ! ああっ、あっあううぅっ……ひ、うぐ、ん、おっきい、よぉ……! んんぅ、くっ、ああっ!」

熱に浮かされ見開かれた瞳から、ぽろりと雫がこぼれる。
それを舐めとり、大きすぎる快感に怯えるように逃げようとするなまえを抑え込んだ。
彼の逞しい腕にすがるように絡まる細い腕に煽られる。
男を知る特有の悩ましさは備えつつあるものの、未だ完全には成熟しきっていない薄い腰を掴み、膣壁がその怒張に馴染むより前に胎内を抉るように蹂躙する。

「ひぅ、あついぃ、熱いのぉっ! あ、や、待って、まってぇっ、あんっ、まだ、うごいちゃやだっ! ひ、いやああぁっ」
「ハ、そんなに、締め付けるな……!」
「やっ、やらぁっ、ひ、ぐっ、イッてるの、イッてるからぁっ! あうぅ、やめてぇっ」

熱く爛れるほどぬかるむ媚粘膜はみっちりと埋められ、強制的にめくり上げられた襞壁をぎゅうぎゅうと蠢かせて雄を締め付ける。
凶暴な極太の物に掻き混ぜられ、長くおあずけされていたなまえは淫靡な嬌声を上げて、すぐに絶頂へと達してしまった。

膣壁は容赦ない収縮で陰茎を締め付ける。
あまりの法悦にがくがくと腰をわななかせるが、鍛えられた太い腕で抑え付けられ抽送は止まらない。
達している最中だというのに止まらない律動。
なまえは口の端からだらしなく唾液を垂らして意識すらもあやふやになっていた。
そしてびくびくとのたうちながらなまえはほとんど無意識に、細い腕を伸ばして彼の首を引き寄せた。

「ひっ、ああっ、んんっ、ね、ねぇっ、DIOさんっ」
「っ、く、なんだ、」
「ああぅ、んっ、お願いっ、ね、ぎゅってして、なまえをぎゅってしてぇ、DIOさ、あっ」

濡れた唇がわなないた、気持ち良すぎて怖いと。
大きすぎる喜悦に恐怖すら覚えて、抱き締めてほしいとねだる。
DIOはもうこれ以上はないくらいに煽られていたと思っていたが、か細い腕を必死に男に伸ばして懇願するなまえに、一瞬思考が白むほどの衝動に襲われた。

眉を寄せ、ルビーのような瞳を忌々しげに細める。
僅かに舌打ちして、天を仰ぎながら小さくクソ、と呻いた。
まるでこちらの方が余裕のないくらいだと。

挿入したままなまえを抱き締め、正常位の体勢からぐっと上体を起こして、いわゆる対面座位と呼ばれる体位にする。
体勢を変える際にぐじゅ、と、大きく胎内を掻き回され、なまえは乗せられた彼の身体の上でびくびくと痙攣した。
脚を大きく開かされて彼の身体の後ろで交差し、規格外の大きさと太さを誇るそれを奥深くまで強制的に咥え込まされる。

亀頭で子宮口を圧迫されるような、深すぎる挿入。
少女は背を弓なりに反らして苦しげに身悶えた。
強く抱えられ少しの隙間もなく密着し、体の自由を奪われ下から突き上げられる。

「ひっ、やああぁっ! アッ、ああっ、んんっ……ふ、うぁ、ああっ、や、やらぁっ、深い、よぉ……!」

過ぎた快楽は、寧ろ苦痛にすら感じられてしまう。
呂律の回らぬ舌で喘ぐなまえは、自ら抱き締めてほしいと求めたくせに、力強く抱き込まれた腕の中から逃げ出そうとした。

「はっ、自分の発言には、責任を持つよう教えただろうっ……!」
「ふぅ、あう、んぐ、んっ! でぃおさ、アァ、ひ、やぁっ、んっ」

眠れぬ独りの夜が怖いと泣いていた、愛らしい少女はもういない。
法悦にとろけた淫らな表情で、はしたなく快楽に咽ぶ女ならば、強く抱き締めたこの腕のなかにいる。

逃げるようにもがく肢体を鍛えられた太い腕で無理に抑え込み、凶暴なまでの悦楽を与えた。
秘宮に突き立てられた巨大な硬さが、雄を迎えるため従順に口を開いた子宮口を抉る。
ぬめる蜜孔をみっちりと埋められ溢れた粘液が、ぬぷ、と滴り落ちた。
対面座位の姿勢のままで、ぐちゅぐちゅと脳髄まで犯されそうな音を立てて深い口付けを重ね、なまえの細い腰を掴んで猥雑に動かす。
唇を合わせるには体格が大きく違う。
そのため、無理に上を向かせて捕食するように執拗に口腔をねぶる。

後頭部を支えられ、背を強く抑え込まれながら、少女はか細い肢体を揺さぶられた。
そっと触れるのすら躊躇われるほど無垢で桜色に染まる可憐な乳房は、二人の体の間でつぶされ形を淫らに歪められていた。
拘束するように強く抱き締められているせいで、引き締まった逞しい男の胸につぶされてしまいそうなほど。
痛いと感じるのに、その痛みにすらじんじんと疼いて更に膣から蜜が溢れ出てしまう。

はくはくと陸に打ち上げられた魚のように酸素を求めて開閉する唇を、無理やり塞がれる。
口の端からくぐもった苦しげな呻き声が漏れた。
涙の膜の張った瞳、真っ赤に上気した頬。
とろんと惚けた表情はどこまでも淫らで、思考までもぐちゃぐちゃに犯されていた。
上からも下からも、ぐじゅ、ずちゅ、と、耳を覆いたくなる程にいやらしい粘性の水音が響いている。

「ひぁっ、うあぁんっ! ぁふ、んっ、んんぅっ! んぐ、む、」

激しく揺さぶられながら、まるで繋がったところが溶けてしまいそうと、まともな思考の働かないなまえはふわふわと考えた。
気持ち良い、苦しい、息が出来ない、死んじゃいそう。
苦しいのに、気持ち良い、ねえ、ーーちゃんとDIOさんもわたしで気持ち良くなってくれてる?
彼女の惚けた脳裡に、そう疑問が浮かんだ。

深く重なった唇の中で絡みあうぬめる舌を動かして、なまえは吸血鬼の鋭く尖った牙を舐める。
にゅぷ、と、音が漏れた。
鋭いそれをうっとりとなぞり、そしてそっと自らの舌の肉を僅かに裂いた。

途端に広がる、濃い血の味。
体内にまだ酒が残っていたのだろうか、口腔と鼻腔を満たす血とアルコールのむせるほど濃い香りに、くらっと意識が飛んでしまいそうになる。
自分を激しく犯すDIOが耐えられないとばかりに低く呻き、荒い息を吐いて余裕をなくして興奮している。
それを感じて、なまえは淫蕩にとろりと微笑み、ねだるように彼の輝く金の髪をくしゃりと乱した。

想像を絶する狂おしい悦楽に溺れる。
男の背で交差した脚を強く絡ませ腰を引き寄せて、更に深く凶暴な肉棒を銜え込みながら、恍惚にとろけた微笑みでなまえはまたも絶頂に達した。

夜と耽る
(2014.09.27)
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