ばたたたたたっ!
放課後の騒がしい廊下でしっかりとその音を聞き分けた俺はぎくりと体を強ばらせた。逃げなければ、そう思うと同時にバスンと音をたてて衝撃が来た。

「源田さん好き!」
「みょうじ…離してくれないか」

しっかりと腹に腕を回され、動こうにも動けない。回された腕に更に力がはいった。

「あのな。そういうのは止めてくれと何度も何度も」
「んはあ源田さんいい匂いがする!」
「キモい!」
「ふぐぅっ!」

バスン、更に衝撃。と同時にみょうじの腕から解放されて後ろを振り向くと佐久間が鞄をぶらさげて立っていた。みょうじが後頭部を押さえている所を見ると佐久間が鞄を武器に助けてくれたらしい。

「ありがとな佐久間…」
「ああ…さ、逃げるぞ」
「いったあ…ああっ!待ってー!」

頭を押さえてうずくまるみょうじを後目に走り出す。佐久間が横に並んだ。後ろからみょうじの声が聞こえるものの、本人が追いかけてくる様子はない。声は俺達が部室のあるフロアへ続く階段を降りるところまで止まなかった。

「源田さあーん!アイラブユー!」


愛、絶賛公開中
(毎回毎回よくやるよな)
(冗談にしても限度があるだろう…)
(…)


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