ふうっと吐いた息は随分濃い白だった。それを見て心が浮き立つ。

「グリーン、見て!すっごい白い」
「あー寒いもんなぁ」

グリーンはそういうと自分の手を擦り始めた。鼻が赤い。嫌がるグリーンを無理やり外に連れ出した罪悪感が今更心に迫った。

「やっぱり家戻る?」
「ばーか。雪祭りが見たいっつったのお前だろ」

今年から開催されるようになった自然公園の雪祭り。ジョウトのコガネシティ、エンジュシティ、キキョウシティが結託して開催するこのイベントは去年の暮れから大々的な宣伝とともに公表された。

が、丁度シンオウ地方に旅行へ行っていたの私にはそれを知る機会が無く、つい先日帰ってきたばかり。そして開催当日…つまり今日、主催者の一人であるアカネちゃんからの電話でそれを知ったのだ。急遽グリーンに連絡を取りこうして二人でのお出かけが実現したわけだが…

「まあそうだけど…グリーン寒いの苦手でしょ」
「まあな」
「せっかくの休日なのになんかごめんね」「別にいーって」

寝ている所をたたき起こした手前、素直にはしゃぎまわることもできず、今に至る。
「でも…家の中に居た方があったか」
「じゃあ、さ」

尚も食い下がろうとすると私の声に被せるようにしてグリーンが言った。言葉と同時に手を伝わる氷のような冷たさはすぐに彼の手だとわかる。本当に冷たい。

「こうやって暖めてくれよ」

それで解決だろ。
手をぎゅうと握りながら、グリーンは照れくさそうに笑った。




君をこの手に移して
(顔の赤らみは寒さだけが理由?)




*






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