「いけレアコイル!ジャイロボール!」
「ウィンディよけろ!りゅうのはどう!」

ウインディは素早く後退するとりゅうのはどうを繰り出す。技はレアコイルを呑み込み、壁の端まで吹っ飛ばした。

「グリーンさん、調子悪いな…」
「うん。本人も自覚はあるっぽいね。少しずつだけど調子戻ってきてるよ」

後方から聞こえる声に思わずため息をついた。
自分でもわかっている、判断が遅い、指示が間に合わない。いつもの俺らしくない行動に、こいつらも戸惑っている。
そっと腰のボールに触れた。まだ元気のあるサイドンとピジョットのボールが震える。

「がんばれ、ギャラドス!」

挑戦者が三体目のボールを投げる。中から巨大な身体をくねらせて、ギャラドスが姿を現した。

「ギャラドス、はかいこうせん!」
「ウインディ!りゅうのはどうだ!」

動き出すのはウインディのほうが速かった。ギャラドスはりゅうのはどうをあと一歩のところで耐え、はかいこうせんを放つ。はかいこうせんがウインディに直撃した。レアコイル戦で体力を削られていたウインディがその場で倒れこむ。ひんしの状態になったウインディをすぐにボールに戻した。

(頭が働かない)

集中しろ。
他の事は考えるな。
どう戦えば勝てるかを考えるんだ。

意思に反してちらちらと頭から離れないものがある。振り払おうとしてかぶりを振った。
サイドンをボールから出すと、空間が震えるほどの大きな鳴き声をあげて飛び出してきた。

「サイドン、がんばれ!」





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