「うぁー…さみぃ…」


しんしんと雪が降る中吐いた息が白く染まる
甲板にいるシャチは自分の息で手を暖める


「お、ペンギン!その手袋くれよ!!」

「いやだよ、自分のはどうしたんだ」


甲板に出てきたペンギンにシャチは手袋をたかろうとする
だが、簡単に断られてしまう


「無くしたんだよ…、」

「どんまい」

「あぁー、早く次の島着かねぇかな」

「たしか3日後のはずだったな」

「はぁ…」


ペンギンの返答に溜め息で返すしかないシャチ
すると珍しく雪の降る甲板に船長が出てきた


「あれっ、船長どうしたんすか?」

「お前らの声が聞こえたからな」

「あ、うるさかったですか…?」

「いいや…。シャチ、寒いなら」

「て、手袋貸してくれるんすか!!」


何やらごそごそとやっている船長に希望を抱く
だか、船長の手には手袋どころか何もなかった

「え……?」

「こうやって、袖をグィーンてしてニュンてしたらあったけぇじゃねぇか」

「………゜ω゜?」


船長の手は伸ばされた袖にくるまっていた
その状況と船長の言葉にぽかん、としてしまう二人


「……………フッww」

「(おい、シャチ笑うなよw)」

「(ペンギンこそ笑ってんじゃねぇかww)」


二人でこそこそと喋っている様子に少し不機嫌になるロー

「……なに話してんだ」

「い、いやっ。なんでもないっすよww」

「船長が気にすることじゃないですからw」






(後の1週間、ハートの海賊団で笑い継がれることとなる)



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