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忘れていた自己紹介を終え二人はまた黙ってしまう 話したくても口を開きにくい空気で自分の部屋なのに何故か居心地が悪くなった けどその時彼がまるで聞きづらいかのような表情をして質問をしてきた 「おかしなことを聞くかもしれないが、ここは何処だ」 「え…え!?に、日本の東京ですが…記憶喪失とかじゃない、ですよね?」 「ニホン…トウキョウ?悪いがグランドラインて知ってるか」 「し、しりません…。ペンギンさん何処から来たんですか?」 噛み合わない会話に段々と不安が大きくなっていきちゃんと友達の忠告を守ればよかったかなと後悔する 彼を恐る恐る見やればさっきよりも真剣な表情をしていた 「どうか、しましたか?何かわかりましたか…」 「あぁ…、どうやらここは俺のいた世界と違うみたいだ」 「違う?え、どういうことですか?冗談とかじゃ」 「冗談じゃない、この世界に海賊っているか?」 「えと、この国にはいません…。外国にはいるみたいですけど、」 「なら確定だ」 いきなりのカミングアウトに頭がついていかない たぶん今私の頭の上には?が沢山浮いているだろう そのことに気付いてか丁寧に説明してくれた ペンギンさんのいた世界は海賊が普通にいて、ワンピースというものを探していて……… ともかく私がいる世界とは違うことは分かった 「ということは…、ペンギンさん本当に行く所ないん、ですよね?泊まる所とか…」 「そうなるな、これ以上ここにいたら迷惑だろうしな。色々とありがとう」 何回目か忘れた礼を言って立ち上がり部屋から出ていこうとするペンギンさん 見知らぬ人だったんだからそのまま送り出せばいいのに、知らないうちに私は声をかけていた 「ここに…いますか?」 「え?」 「え?いや、今から泊まる所探すの大変だし、部屋も余ってますし…よ、よければっていうか、迷惑じゃなければ、ですけど……」 私の一言で彼をまた振り向かせる 驚いた表情の彼を振り向かせるのは何度目だろうか 今回ばかりは目が点になっていた 「嫌じゃないのか、知らない奴を」 「だ、大丈夫だと、思います…。ペンギンさん、優しいですし…」 「俺は優しくはないと思うが、…よろしく頼む」 「よ、よろしくですっ」 ………ひょんなことだけど、変われるといいな、私 へ、部屋片付けなくちゃ |