いつも通りの日常、とはそんなにうまくいかないものだ。



運よく推薦で大学に受かり、残りの高校生活を過ごすだけだなと思った矢先のこと。
私は何故か横断歩道で倒れていた。状況を把握する前に全身を強烈な痛みが襲ってき、閉じられていた眼をうっすらと開けば視界に広がるは、夥しい量の赤。


「(あぁ、轢かれたのか。)」


これは死ぬな、と直感すると痛みも鈍くなっていく気がした。
自分の周りで信号待ちしていた人だろうか、私の状況に慌てふためいていて叫び声も聞こえる、ひどいことになってんだろうな。


眼下に広がる赤を眺めながら、直前の出来事を思い返す。
いつも変わらぬ横断歩道で信号が青になるのを待っていた。会社帰りの人や学生、主婦とかの集団に混じり立っていた。車線側の信号が黄色に変わったとき、一台のトラックがスピードをあげてくるのが見え、他人事のように「あぶなー…」と呟いた。その呟きと同時に背中に強い力を感じ、振り返ろうとしたが叶わず私はトラックの前へと押し出されてしまった。そして今に至る、か。
とんだ災難だ、押した奴許さねぇ。けどそう思ってももう遅い。


考えてる間に救急車が到着したようで、隊員の人が私の応答を確認しているが口すら動かすのがめんどくさい。どう足掻いてもこのままだと死亡確定だしな。



めんどくさいや、と眼を閉じた












  
  
  
止符は突然に
  
  








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