今日はエース様のお迎えがなく、いつもより遅く目が覚めた
普段ならしつこく起こしてくる姉ちゃんもいない

「姉ちゃんの方が今日は寝坊か?」

そう思いながら顔を洗うために洗面所に向かえば噂の主が立っていた

「ん、和おはよ」
「はよー」

後ろを見ずに答え、アイロンをかけながら俺にカチューシャを投げ渡してくる、さすが俺の姉ちゃん

「今日はゆっくりなのね」
「おー、真ちゃんのお迎えがないからな」
「ふーん、にしても早くしないと朝飯食べ損ねるよ」
「あいあい」










「「いってきまーす」」

めずらしく姉ちゃんと登校、まあいつも俺が早く出てるだけだけど

たわいのない話をゆったりとしていればあっという間に学校に着いてしまう
静かだった周りは他の生徒たちの声で溢れてる

途中で会うクラスメイトに挨拶を交わしながら玄関に入った、ここからは姉ちゃんとは別だ

「んじゃ」
「あ、そうだ」
「ん、なんかあった?」
「和、誕生日おめでと」

あー…、そういや誕生日だったか、全然気づかなかった
なんか急に恥ずかしくなって隠すように頭を掻いた

「……さんきゅ」
「じゃね」
「おう」







教室に入ればクラスメイトが口々に俺の誕生日を祝ってくれる
そのなかで一人席で静かにしている奴


「真ちゃんおはよ!」
「高尾」
「ん、どした?」
「誕生日おめでとうなのだよ」

「……………真ちゃんどこにツン落としてきたの?」

「高尾!!」



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