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「おかしいな」

こんなはずじゃ、なかったのに。
ぼんやりと虚空の彼方を見つめたままヤツは呟いた。それからもう一度、ああおかしいな、と。うるせえな、俺だってそう思ってんだっつの。

「ハルヤ」

しゃり、と氷菓を砕いた欠片と共に宙に放り投げられたそのたどたどしい単語は俺の名前だった。ほんと、呼び慣れてません感満載のな。

「…んだよ、フウスケ」

一方の俺の口からそろりそろりと溢されたのも、やはり酷くたどたどしいヤツの名前だった。滑稽で結構、だって当たり前だ、俺たちは本日初めて互いの名を呼んだのだから(と言うと語弊があるかも知れないので言っておくが、単に今まで苗字しか呼ばなかったというだけの話である)。

「……べつに」

ただ呼んでみただけだ。
そう言ってまたしゃりりと氷菓を砕いたヤツの耳まで紅く染まっているのを、俺は見逃さなかった。あーあ、きっと今ごろ俺もヤツのそれとお揃いなのだ、馬鹿みてえ。



片恋終了記念日



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すずなぐの日記念と言うことで〜!
ひょんなことから両想いだと知った直後のカオスちゃん…のつもり




( 0910 )









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