いつかどうしても悲しいときに | ナノ

一番近くが無理だったときは.c

 わたしには、幼馴染が二人いる。
 さつきはわたしと違って明るくて、可愛い。スタイルもよくて、チビのわたしが並ぶと姉妹みたいとよく言われた。さつきの解析能力はすごいし、情報収集だって早いし正確。基本的になんでもできて、体育の時間はみんなの中心にいるのをよく見かける。
 大ちゃんはバスケが大好きで、ほんとうに上手。スポーツは何も詳しくないわたしだけど、大ちゃんのバスケはすごいっていうのは分かる。背も高くて、女の子にはちょっと無愛想なところはあるけど、基本的には優しい。
 わたしとは正反対の、わたしにはもったいない二人。中学にあがってもそれは変わらずで、わたしはさつきと大ちゃんに誘われるがままにバスケ部のマネージャーになった。あまり身体が強くないのと、さつきのように情報収集能力は高くないから、もっぱら雑用を任されていた。あまり人と接しないような洗濯だとかドリンク作りだとか、わたしにもできそうな仕事をさつきは分けてくれた。二軍三軍と、部員も多い帝光中学バスケ部は、それなりにマネージャーもいた。先輩たちも優しくて、一緒に仕事をやったり手伝ったりしてくれた。
 仕事を終えた後は、さつきと合流して着替える。外に出ると大ちゃんが待っていて、三人で一緒に帰る。こうやってみると、わたしはとても優しい人たちに囲まれている。この生活がいつまでも続くといいなと思う反面、終わってしまうときの事を考えると、とても怖い。
 
20120528
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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