いつかどうしても悲しいときに | ナノ

一番近くが無理だったときは.a

 私には幼馴染みが、二人いる。青峰大輝と、藍川ユズル。家が近くて、年齢も一緒で、家族ぐるみで付き合ってきた。もう家族のように一緒にいる。青峰くんがバスケを始めて、私もユズルもずうっとそれを見てきた。ユズルはあまり身体が強いほうじゃなくて、運動も苦手だったから羨ましそうに見ていた。年を重ねるにつれて、みんな身長が伸びていく中、あまり成長しないユズル。身体能力もどんどん差がついていって、周りと比べられようになって、ユズルの悲しそうな顔をよく見るようになった。元々引っ込み思案で大人しくて、青峰くんのいたずらにすぐ泣いちゃうような子だったけど、成長するにつれて本当に悲しそうに泣くようになってしまった。
 それでもすごく優しい子。小さい頃は自分も青峰くんのいたずらに泣かされるくせに、青峰くんがわたしにいたずらすると青峰くんをちょっと怒って、私を助けてくれた。カエルを乗せられたときも、泣き喚く私を優しく抱きしめてくれた。夏休み、終わらない宿題を抱える青峰くんを少し助けたり、人にはとても優しい子。人の陰口も真に受けて、嘘もつけない正直な子。人の役に立てないと泣いている子。ときどきお姉さんみたいに頼もしい子。
 そんなユズルだから、私も、青峰くんも大好きなんだよ。いつまでも変わらないユズルが、大好き。
 
20120528
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