HQ孝支 ひどいおとこ2




「なあスガ。俺、アイツと別れたよ」

「え、」



スガは本当に驚いてるみたいで、色素の薄い、灰色の目をまん丸にして、口をバカみたいに開けている。かーわいいなー、なんて。



「、っ、ハハ、飽きられちゃったんだろー?お前って、女の子のキモチ分かんなそーだもんな!」

「違くて、俺がフッたんだよ。もう要らないから」



無理やり作っていた笑顔が、ぐしゃりと崩れる。綺麗だ。泣きそうな顔で、それでも、静かに深呼吸して、泣くまいとするスガは、やっぱり綺麗だ。

スッと俯きがちだった顔を上げたスガは、諦めたように、仕方なさそうに、笑った。



「…俺も、要らなくなった?」



そんな訳ないだろ、お前と真剣に付き合う為に遊ぶの辞めただけだよ、あほか、泣きそうな顔すんな、お前はいつもみたいに俺の横で笑ってろ。

そう頭の中では台詞がぐるぐる回ってるのに、口はひとつも動かない。恥ずかしいのだ。偽ってばっかだったのに、今更本当のことを、しかもこんな小っ恥ずかしいことを、いうのか、俺。



「…今まで、ありがとな、___」



優しい声が聞こえて、慌ててスガを見る。スガは泣きそうで、目は潤んでて、鼻も真っ赤だったのに、俺を見た瞬間全部吹き飛んで、焦ったような表情になった。



「だっ、大丈夫か!?顔、真っ赤だぞ!しんどいか?熱は?」



食ってかかるような勢いで、俺の心配をしてくれるスガに、余計体が熱くなった。

お前のせいだっつの。


 
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