熱い?





「よォし!今日も気合入れて行くぞォ!」

「おう!!」

「龍、ノヤ、熱苦しい。ただでさえ暑いんだからやめてください」

「ああん!?___!お前はもっとやる気を出せ!」

「そうだぜ!こういうのは気持ちが大事なんだよ!っつーことで、クールな___はこうだ!!」

「あっ!こらノヤ!」

「いいぞノヤっさん!走れー!」

「___も走って熱くなろーぜ!」

「あー、もう…、」



おれのTシャツとジャージとワイシャツを奪って、部室の外に走り出る二人を追いかける。スラックスまだ脱いでなくて良かった。流石にパンツで外は歩けない。上が裸なのは……許されるよな、夏だし。



「きゃああ!___くーんっ!」「かっこいいー!」「田中西谷ナイスー!」「やだあお肌焼けちゃうよー!?」「___くんかっこいいー!」「きゃあ!がんばってぇー!」



黄色い声を背に二人を追いかける。女の子のきゃいきゃいはしゃぐ声は、あまり好きじゃないな。あとおれは男の裸見て喜んでる子より、照れて口ごもる子の方が好み……、あ、



「___!!」

「…大地さん」

「何で服着てないんだ!説明を…」

「___ー、さっき西谷と田中が服持って走ってったけど、___のだべ?」

「ソウデス」

「………あいつら……!」



怒りに震えてる大地さんは真っ黒で怖い。何が真っ黒か分かんないけどとりあえず黒い。孝支さんが、あとは大地に任せようか、と笑った(こっちは相変わらず爽やか)ので、お言葉に甘えようと思う。何か女の子増えてきてるし、おれより大地さんに叱られた方が辛いだろう、し…



「ね、姉ちゃん……」

「……………」



ブリザードのような冷たい目は、静かに怒っていて。
龍とノヤ、ゆるさない。


 
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