モテモテ





キャーキャーと黄色い歓声が体育館に響く。彼女たちの口からは、たった一人の名だけが聞こえる。


「___くん…俺はヒッジョーにイカンである…何故だか分かるか」

「龍、無理に難しい言葉ばかり使うと舌噛みますよ」

「今はそんなこと重要じゃねえ!何で選手の俺じゃなくてマネのお前が応援されてんだよ!」

「………顔?」

「ぐああっ腹立つ!!」

ぽんっ

「龍…」

「の、ノヤっさん…!」

「顔が何だ、身長が何だ。大事なのは見た目じゃねぇ、ココだろ!!」


ぐっと自分の胸を親指で指すノヤは男前の一言に尽きるが、それに感動して号泣する龍は暑苦しくて仕方ない。涼むためにバサリと脱いだジャージに、また一際大きな、むしろ悲鳴のような歓声が耳を劈いた。



「………こ、これが美形の力、だと…!?」

「………龍!諦めんな!俺たちにも、何か、まだ出来ることがある筈だ…!!」

「2人ともまずそのアホ面なんとかした方がいいですよ」


 
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