WT悠一 はなよめしゅぎょう



料理出来ない上に過去に飲食店のバイトで見てはいけないものを見てしまったせいで他人の作った料理が食べれない系男子と恋人の迅さん



___のアパートの台所はいつも新品みたいにピッカピカだ。これは決して___が綺麗好きだとかそんな訳ではなく、ただ単に料理をしないからである。

「野菜炒めと炒飯でいいー?」
「悠一が作るなら何でも!」

背後でソワソワと落ち着きのない恋人を見てつい笑ってしまう。うーん、おれも料理が得意って訳じゃないから見事に炒めるしかしないな。今度レイジさんに何か習おうかなー。スタミナのつくもの沢山知ってるから、栄養失調気味の___にはもってこいだろう。

「うわあ、すご……。悠一手際いいなぁ」

後ろから覗き込む姿はまるで子供だ。手際も何も、まだ豚肉に下味つけて、野菜切ってるだけなんだけど。

「んーまあ___のお嫁さんになるために、これぐらいはな」

ふざけてそう言うと、___はもの凄く嬉しそうに笑った。

「俺の未来のお嫁さんは、料理上手だなあ」

あーあ、そんなこと言われちゃったら、料理頑張って覚えないといけないじゃん。油を引いたフライパンに豚肉を投入しながら、未来を視る。
そこには色んな料理を自慢げに振る舞うおれと、頬を真っ赤にしてキラキラした目でおれを見つめる___がいるんだ。

「あつっ!」
「え、もしかして油跳ねた?大丈夫?」
「大丈夫…。悠一はそんな近くでよくケガしないな…。」

いやあ、___が台所に嫌われてるだけじゃない?
とは言わずに笑っといた。だってケガしてもおれから離れない___がきっと、悪いんだから。


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テーマ「人外ファンタジー」
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