マインドレス



セックスレスの続き



「なあ、准」

「ん……何だ?」


准の羽みたいなくせっ毛を撫でながら話しかける。ふわふわだ。准は気持ちいいのか微睡んでいて、少し反応が鈍い。おれのベッドの上でふたりっきりだというのにこの油断っぷり。大学生でこれって大丈夫かよ…。いつか肉食系女子の色っぽいお姉さんにペロリと食べらちゃわないかとおれは心配です。あ、アナルファックでしかイけない准なら大丈夫か!おれったら早とちりてへぺろ!

なんて脳内で失礼なことを思いつつ、准にセクハラするべく一芝居打つ。芝居なんて高尚なものじゃないけど。


「ペニスだけじゃイケないって言ってたけど、乳首はどうなんだ?」

「えっ」


准の爽やかフェイスが固まる。


「……いや、えっと…分からない、な…」

「そうかそうか、んじゃ、調べてみるか!」

「あ、あ…」


にっこり笑うと、准は微妙な顔のまま小さく頷いた。多分混乱してよく分からないまま、おれの押しに流されてとりあえず頷いたんだろう。相変わらず変なとこが抜けている。そこに付け込むおれ。こんなエロ展開を逃がすなんてそんな勿体ないことは出来ない!




「っ、ん……」


脂肪の少ないそこは胸というよりただの大胸筋だ。けれど筋肉というものは力を入れていないときは存外柔らかい。むちむちとしたそれを、後ろからローションを薄く付けた手で包み込むように優しく揉みしだく。少しずつ手のひらに当たっている尖端が固くなるのを感じてひっそり笑う。そっと乳輪をなぞると、ぴくりと肩が揺れた。その肩に顎を乗せて覗き込むと、真っ赤に色付いた乳首が見えた。はあエロい。


「っ、___、…その、や、やっぱりやめないか…?」

「ダメだ、ちゃんと調べないと」


そう返しながら尖端に人差し指をあてがって、小刻みに動かす。


「あっ!……っん、…ん…っ、___、それ…っ、だめだ…!」


普段しゃんと伸ばしている背中を丸めて震える姿に股間がきゅんとした。ああもうグチャグチャに乱してやりたい…!思わず指先に力が入りそうになって、慌てて緩める。乳首は敏感だからすぐ痛くなるらしいし、気をつけないと。…気を取り直して、ぴんと立っているそれを優しく摘みながら、准の晒されている形のいい耳に舌を差し入れる。くちゅり、わざとらしい水音を立てる。


「ひっ!…く、ぅん……っ、はあっ、___…っ」

「准……」

「あん…っ!」


吐息混じりに名前を呼ぶと、准の身体が分かりやすく跳ねた。准の局部が服の上からでも分かるほど反応していることと、それを何とかしたいがために長い足を僅かに擦り合わせていることを横目で確認する。今ペニスを触ったらイけそうな気もするけど、もちろん触らない。このおれが調査というセクハラの大義名分を易易と捨てられるわけないだろ…!

ひたすら乳首を甚振って、気まぐれに胸全体を揉んでいると、ついに限界がきたらしい。ぐすぐすと准が嗚咽する声を漏らし始めた。


「どうした?痛いか?」


我ながら白々しい声だ。もう射精することで頭がいっぱいな准はそんなことにも気付かず、かぶりを振る。


「も、いや、だ…っ!やめて、っ、くれ…!」

「ダメだって。まだ乳首だけでイけるかどうか分かってないだろ?」


くり、と尖端に捩じ込ませるように指先を動かすと、准が縋るようにその手を掴んで止める。


「い、いけない、から、やめてくれ…っ!」

「…ん、分かった。……で?」


准の緑の目がおれに必死に訴えかけているが無視だ無視。言わなくても分かってるけど、そんなにおれは甘くないぞ准! 左手を准の股間に差し込んで、やわやわと蕾を刺激する。ぎゅう、と筋肉質な太股に手を挟まれるが動きは止めない。准が、こくりと生唾を飲んだ。


「……っ、ち、乳首だけじゃ、…っいけない、から…っ、いれて、くれ…!」


ぐん、と自身の熱と硬度が上がったのを感じた。今すぐ挿れてグチャグチャにしてイかせてやりたくなったが、どうせなら、と脳内で悪魔が囁いた。どうせなら、准のえっちなお尻に、とか___の熱くて太いの、とか言って欲しくないか?言って欲しいですサー!


「…んー? いれるって、何を、どこに?」


ふるり、と准の唇が震えた。


「………___っ、の、」

「おれの…?」




「…っ変態!」

バチンッ!!


「ぃ゛っ〜〜〜〜!!」


派手な音と同時に顔面に激痛が走った。張り手、だと…!?突然の痛みに悶絶している間にバタバタと准は部屋を出ていってしまった。え、ええええ…!うそだろあんな据え膳が逃げてしまうなんて!もう一声、と欲張ったのがいけなかったか…。いや、だって准のあの清純爽やかフェイスでエッチな言葉言って欲しかったんだよ…!おれが悪いのか!?どう考えてもおれが悪いな!!うわあああ准ごめんってばあああ!!



その後、トイレの扉越しに准の悩ましげな声を聞きながら懺悔するという拷問のような時間を味わうことになった。せめて見せて欲しかった、な…。


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