◎転ぶ あんまりに紅葉が綺麗だったから、迅を外に連れ出すことにした。うわあ、すごい、綺麗だね。キラキラと目を輝かせて年相応に喜んでいる迅に満足しつつ、紅葉と迅のコラボレーションに目を潤わせていたそのときだった。 「っ!!?」 「おわ!?」 ズルッ!っと突然足を滑らせた迅を慌てて抱きとめようとするが、勢いを弱めることしか出来ず、結局一緒に地面に座り込むことになってしまった。身長が180近い迅を抱きとめるなんて俺には無理だったか…。今度木崎と一緒に筋トレしよう。 「………………読み逃した……」 「…読み逃しっつーか、ただコケただけだろ。ほら、大丈夫か?」 「…うん、ありがと___さん」 手を差し伸べて立たせると、俯いていた迅が顔を上げる。恥ずかしそうに頬を赤く色づかせていて、素直に可愛いと思ってしまった。不覚。 「ふは、もみじみてぇ」 「っ!」 赤い頬に手を滑らせると、迅はますます顔を赤らめた。人ってここまで顔を赤く出来んのか、なんて感心しつつ、リンゴみたいな真っ赤な頬に唇を寄せた。そういやリンゴ食いたいな、買って帰ろう。 to list |