「え、恋人にするなら?そうだなー、んー、……あ!ウソつかない子がいいな!」 爽やかな笑みの___のこの言葉に、バカ話で盛り上がっていた筈の愉快な男子高校生たちは凍りついた。え、えええ。それ京介の前で言うのかこいつ。京介が___を好きなことなんてバレバレで、そして京介がお茶目なかわいいものではあるものの、ウソをついては人をからかっているのはボーダーの周知の事実。それなのに、いや、___は今時の男子高校生とは思えない鈍感さだからな。米屋はそっと後輩を盗み見る。 「そうですか。なら俺とかどうですか?ウソつきませんよ」 お前何サラッとさっそくウソついてんだよ!!! とその場の全員が思ったことだろう。思わず立ち上がりそうになった出水を、米屋が笑いを堪えながら押え付ける。なんだこれチョー面白いことになってんじゃん。笑い涙で視界が不自由な中、___の赤い顔が見えた。 …………ん?赤い、顔? 「きょ、京介、そういうことは冗談でも言っちゃダメだ、勘違いするやつだっているだぞ!」 「冗談じゃないっすよ。俺は___さんにはウソはつきません。___さん、俺と付き合ってください」 「な、あ、え、ええっ!!?」 「好きです___さん」 「っ!っ!!、…う、うわあああああ!!!!」 バタバタと走り去った___。珍しく仏頂面を楽しそうにしている京介。おれと弾バカはただただバカみたいに口を開けることしかできなかった。 ウソつきは泥棒のはじまり。奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。なんて米屋が現実逃避していると、横から呪詛が聞こえてきた。ああそうだな。とりあえず、一足先にリア充になりそうな___はあとでシバき倒す。 to list |