opウソップ ちーぷ




チープだな、と思った。

「そこでウソキングの登場だァ!!彼が現れると百万もの敵は一斉に逃げ出して…」

ウソップの話し方も身振り手振りも話の内容も声音も口の動かし方でさえ、なんだかプラスチックのスプーンのような、そんなチープさがある。オレの横でウソップの話を聞いてるチョッパーの反応は宝石のようなのに。

ウソップのチープさはホラ話をしてるから?プラスチックのスプーンがチープに見えるのはなぜ?宝石が高いのはなぜ?

「うおおおおウソキングすげー!!!」

はしゃぐチョッパーを一瞥してからウソップを見る。満足そうな顔。腰に手をあてて、ふんぞり返っている。

「フフン、まだまだここからが面白いんだぜ!」

それから更にウソキングの盛りに盛った武勇伝がペラペラ語られる。どこからか紫煙がふわりとやってきて、出処に目を向ければ、サンジが微笑ましそうにオレらを見ている。ウソップに視線を戻す。ウソップはチープだ。安っぽい。薄っぺらいし、中身がスカスカ。けれどなぜかな、嫌いじゃないんだ。


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テーマ「人外ファンタジー」
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