「迅さ、っと」 迅さん来てるよ、と教えてくれたのはオペレーターの子達だった。面白がってる人が大半だけど、一部は鼻息が荒い。まあそこはツッコまないでおいて、本部に駆け付けた。 が、嵐山さんと談笑中なのでウェイト。いくら迅さんを好きだからと言って彼らの会話を妨げる免罪符にはならない。迅さんが素敵過ぎて称賛の声を上げずにいるのは難しいことだが、迅さんの楽しげな声を聞くと気が紛れた。っていうかなんなの?普段から似てると言われてる二人のツーショットって、ああ神に与えられしご褒美か。ご馳走様です。 とりあえず心のメモリーとケータイのメモリーに保存する。後でUSBとパソコンにバックアップ取らないと。迅さんに関することで俺に死角はない。 「あ、おーい___」 連写した写真を確認していると、俺に気づいた嵐山さんが迅さんを指差しながら呼んでくれた。いるぞって、優しいな。嵐山さんはボーダーの良心だと思う。 「嵐山さん、迅さん、こんにちは」 「よっ___ー。ぼんち揚、食う?」 「!有難うございます!身に余る光栄…!」 震える手で1枚頂き、片手で持ち歩いている密閉袋を開けてそこに入れた。きちんとジップを閉じたことを確認し、再度迅さんにお礼を言う。 「この迅さんが染み付いたぼんち揚は大切にします!」 「いや、おれ染み付いてないし、ちゃんと食ってね」 慣れたようにそう返す迅さんはぼりぼりとぼんち揚を食べてて、とても可愛らしい。その光景にデレデレしていると、神妙な顔をした嵐山さんの口が開いた。 「___、あのな、俺の家の近くにいい病院があるんだが」 嵐山さんに本気の心配されたし、迅さんにも行ってこいって言われたから、そのうち行こうと思う。 to list |