WT准 けーき



アイドル主


大学の授業を終えて、伸びをひとつ。今日は任務もないし、久々に可愛い双子の相手でもしてやるか。そう考えながら帰路に着こうとすると、校門に揺れる蜂蜜色を見つけた。

「___?」
「あっ、嵐山さん!」
「どうしたんだ、こんなとこで」
「その、け、ケーキ、食べに行かねぇ?」

羞恥からか顔を赤くして、潤んだ瞳で俺を見上げる___。ああ悪い、佐補、副。帰るの遅くなりそうだ。



「う、っまい……!」
「はは、そりゃ良かったな」

ずっと気になってた店なんだと、キラキラした顔でケーキを頬張る___に、俺も幸せな気持ちになる。

「あ、___クリーム付いてるぞ」
「え、うそ、」
「そっちじゃなくて、…ほら、な?」

ぐい、と親指でクリームを拭ってやると、その手を掴まれた。自然な流れで___の顔が近づいてきて、ぺろり。

「ッ!?こら、___…っ!」
「だってクリーム美味いんだもん」
「…あー、そういう」

赤いだろう顔を逆の手で覆う。恥ずかしがってる自分が恥ずかしい。

帰り際に「佐補ちゃんと副くんに」とケーキを渡された。曰く、お兄ちゃんを借りたお詫びだとか。俺ならいくらでも貸し出すんだけどな。

「嵐山さん、またね」

手を振る___に、次が早く来ればいいと思った。


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