昔から独り占めするのが好きだった。おもちゃも、お菓子も、服も、皆の憧れも、親からの愛情も。誰にも、妹の藍にだって渡さないように、いつも独り占めしようと画策していた。独り占めすると、心が満たされるのだ。安心する。怖いものなんてなくなる。これは自分のもの。自分だけの、もの。 「好きだよ、京介」 「どうしたんすか急に…」 「言いたくなったから言っただけだよ。…京介は、僕のこと嫌い?」 「まさか、…俺も好きです。___さん」 ホントは別に好きでも何でもないのだけれど。こう言えば、君は僕から離れないから。ねえ、藍知ってる?君の好きな人は僕のものなんだよ。ああ、独り占めって気持ちいいなあ。 (とりまるは被害者) to list |