たらし主 最近よく見る未来がある。___が、城戸さんの隣に立って、笑っておれに風刃を差し出す未来だ。少し大人びた___のトリガーホルダーに入っているトリガーは、恐らくブラックトリガーで、おれは息が苦しくなる。おれのせいで、いなくなるんだ。ある程度先の未来なのに見えるってことは、ほぼ確定している未来だということだ。確かに、___がブラックトリガーを本部の為に使うなら、おれが風刃を持っても均衡は保たれるだろう。風刃が返ってくる。それはおれが望んだ未来の筈なのに。 「悠一さん?」 「あ、ああ…悪い、やることがあるから」 「…分かりました」 繋いだ手を離すことは簡単だった。けれど___は、どれだけ手を振り払っても、いつも通りの笑顔をおれに向けてくれる。未来はまだ、変わらない。駄目だ。おれはそんな未来望んでない。風刃を手放したとき、もう何も失わないと決めたんだ。もう何も失わずに済むように、上手くやってみせると。なのに、またおれは大切なものを失おうとしている。 もっと距離を置こう。いっそ嫌ってくれてもいい。おれのことなんか忘れてくれ。でも、遠くへは行かないで。ずっと玉狛にいてくれ。おれの手の届くところにいてくれたら、それだけでおれは嬉しいから。 ここから迅のスーパー回避タイム。とことん___を回避。サイドエフェクトさん有能。___は避けられてるのを察知して、ショックで玉狛行けない。その間本部で模擬戦してランク上げに専念。太刀川が嬉しそう。 ある日たまたまバッタリ本部で会う(他に人歩いてなかったからサイドエフェクト不発)けど、___は会釈だけして立ち去る。その瞬間に未来が変わってないことを知る。どうして、おれのことなんかもう嫌いだろう。なのに何でこんなこと、なあ、なんで。慌てて___を追いかけて問い詰めると、逆に迫られる。 「悠一さんはっ、未来の悠一さんは風刃を持っていますか!?」 「、ああ」 「っ、良かった…!」 何でこんなことするんだ。風刃は悠一さんのものでしかありませんから。あれだけ避けたのに、おれのこと嫌いにならないのか。嫌いになれませんでした。なあ、風刃はおれも考えてみるよ、だから、何処にも行くな。……すみません。っ、風刃が返ってきたって、お前がいないんじゃ、おれは、 「…悠一さん、同棲、しませんか」 「……え、?」 「玉狛じゃなくて、小さなアパートでも借りて、二人だけで。…そうすれば、悠一さん寂しくないでしょう?」 「!!、___…っ!」 「わっ、あはは、悠一さん苦しいですよー」 「あーもう、何でそんなにかっこいいんだ」 「悠一さんにだけですよ」 いつも通りに笑う___に、おれは抱きしめる力を強くした。 ーーーーーーーーーー 主人公黒トリガー持ちになって本部所属になる。迅に風刃を返すことが条件。(ちなみに主人公は、黒トリガーは頭になく、天羽並に強くなって、トレード条件の提示という予定だった) to list |