「い、出水先輩っ!お疲れさまです!あの、これ、良かったら…」 「おー、サンキュ」 出水先輩はそこそこモテる。まあ顔はかっこいい方だと思うし、身長も175あるし、頭いいし、ボーダーだし?あ、くそ、思ったよりいいとこあったな。でも性格が小憎らしいから今の全部チャラだな、チャラ。 「おーい___、どうだ。羨ましいだろ」 「…うわあ出水先輩ってほんとアレっすね」 わざわざこっそり隠れてた俺に話しかける出水先輩マジなんなの。可愛らしい女子は俺を見ると、顔を歪ませて走り去ってった。まあそうなるよな。たとえ出水先輩にそんなつもりなくても、態度がもうアレだわ。 「出水先輩さぁ、もう少し思いやりの精神とか持った方が良くないっすか」 「はぁ?あの子のこと何とも思ってねぇんだし、過度の期待させるよりよっぽどいいだろーが」 おお、こういう発言をするあたり、やっぱ頭いいんだろうなあ。っていうかモテる人のだからこそ言えることだよな。まあ、ここに過度の期待しちゃってる奴いますけどね。出水先輩の中じゃただの後輩だもんな、俺。あーせめて女だったらなあ、期待しないようにしてもらえたんだろうけど。 「___…?何考えてんだ?」 「………出水先輩のことっすよ」 「、は?…ぶっ、んだそれ!笑わせんなよ!」 リアルに腹を抱えて笑ってる出水先輩うぜぇ。ちょっと勇気振り絞ったらこれだよ。すっげぇ噎せてるし顔赤いし。ちょっと可愛い、いやいやいや。あーもう何でこんな人好きになってんだろ俺。 「で?嬉しすぎてバカにしたのか?」 「あれは___が悪いだろ!あんな、お、おれのこと考えてるってなんだよ!」 「あの後___すっげぇ落ち込んでたぞー」 「っ………!」 「照れんなよキモい」 to list |