butler | ナノ
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「○○○ちゃん、何してるの?」
「あっ…!ユウお兄ちゃん!!しーっ!」
唇に人差し指を当てて声を潜める○○○。
ユウの目の前にいる彼女は花壇と生垣の間に体を縮ませ小さくなってしゃがんでいた。
「今ね、アランくんとかくれんぼ中なの」
「あ…、そういう事か」
○○○が身を潜めているって事は、アランが“鬼”なのだろう。
「ユウお兄ちゃんもしゃがんで!!見つかっちゃう」
「えっ、ああ…ごめんごめん」
小さな“鬼”に見つからないように、本気でかくれんぼをしている○○○の姿が微笑ましい。
言われた通り、花壇の後ろに○○○と同じようにしゃがんで姿を隠す。
「そういえば、ユウお兄ちゃんはどうしてここに?」
「もうすぐ昼食の時間だからね、探しに来たんだ。さっきアラン様と○○○ちゃんが外に出ていくのを見かけたからね」
「あ、もうそんな時間なんだ…」
アランと一緒に遊んでいると時間の経つのが速い。
無邪気に遊び、楽しそうな顔をするアランを喜ばせたくて、ついついいろんな遊びを提案する○○○。
しかし、隠れたのはいいけれど、執事である自分がいつまでもここにいるわけにはいかないのだが…。
ふと、○○○の頭のてっぺんについているものが目に留まる。
「ふふ、○○○ちゃん一体どこを歩いてきたの?」
「え?」
○○○の髪の毛には落ち葉がいくつかくっついていた。
ユウが指先で一つ一つつまんで取っていく。
いつも優しく頭を撫でてくれるユウのその掌の感触が○○○の鼓動を速くする。
「あ、ありがとうユウお兄ちゃん…。隠れる場所を探してあちこち狭いところに入ってたから…」
なんだか急に恋人としてのユウを意識してしまい顔が見れない。
グレン王子の執事であるユウとこうして昼間に話をするのは久しぶりの事だと、改めて気付く。
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