butler | ナノ




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「アラン様、どこまで探しに行ってるんだろう……俺、そろそろグレン様の所に行かないといけないんだけど」


生垣から少し顔を出して周りの様子を伺うるユウ。


「ユウお兄ちゃん!!駄目だって!!
ユウお兄ちゃん大きいんだからそれじゃあ見つかっちゃうよ」


そう言って○○○がユウの腕を掴み、更に姿勢を低くするように言う。

なかなかここから離れる事はできないらしい…。
どうしたものか、と考えていると、すぐ傍にいる恋人である○○○に掴まれている腕から伝わる彼女の体温。
ついつい触れたくなる衝動に動かされて、少し意地悪をしてみたくなった。



「じゃあ……これくらい?」


そう言って、
ユウは○○○の体に寄り添うように体を隠す。
○○○と自分の膝がぶつかるくらい密着する。


「え………っと、」


案の定戸惑いを見せ、赤くなる彼女にさらに悪戯心が芽生えて、


「もっとくっつかないとアラン様に見つかるかもね」


そう言ってユウは○○○の肩を後ろから抱きしめた。


「ユ、ユウお兄ちゃん…っ!」
「しっ」


○○○の口もとに人差し指を添える。



アランが近づく気配。
あのかわいらしい靴音は間違いなくアランだ。
○○○にもそれが分かったらしく、ユウと目を合わせたまま息を潜める。

肩はユウに抱かれたままで。
真っ赤な顔で、
潤んだ瞳で見つめられたら。


「…っ!!」


吸い寄せられるようにして○○○の唇を自分のそれで塞いだ。
いきなりのキスに○○○の目は大きく見開いたまま。


「ユウお兄ちゃん……!」
「ほら、大きい声出したらアラン様に見つかっちゃうよ?」


わずかに唇が離れた時に抗議してみせるが、ユウはなにやら楽しそうに微笑む。
そしてまた塞がれる唇。



二人だけの空間。
それはとても静かで、
だから余計に自分の胸の音だけが煩く聞こえるんじゃないかと思うほど。


触れた時と同じように静かに離れる口付け。
生垣の向こうのアランはどうやら諦めてその場を離れていった。


「……ユウお兄ちゃんっ……ここ、外なのに……」
「大丈夫、誰もいないよ。…それとも、見られると思ってドキドキした?」
「も、もうっ…!」
「続きは………また今夜。ね?」
「!!」


耳元でそう囁けば、更に赤くなる○○○の顔。
真っ赤になって口をパクパクしている○○○の頭を撫で、ユウはスッと立ち上がりその場を後にした。








「姫――!!やっと見つけたっ!!……って、どうしたんだ姫、顔が真っ赤だぞ?」
「へっ!?な、なんでもないよ!!」
「さっきユウに会ったぞ。もうすぐお昼ごはんだってさ!早く行こうー!」


無邪気に笑い、○○○の腕を引っ張るアラン。

ダイニングで待っているであろうユウの顔をまともに見られるだろうか。
きっとまた赤くなった顔をした自分を見て満足げに微笑んで見るだろう。


「わたしばっかり……どきどきして、ずるい」


きっと、いつまでもかなわない。








20120118
…………………………
王子様アプリにハマってついに書いてしまいました!
しかも王子ではなく執事のユウからww
ユウ好きですーー!!

まだまだ王子萌えは続くのでこれからもどんどん書いていきたいと思います〜♪


そしてこのユウは王子コンテンツ開通祝いにハナさんに捧げますー!!




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