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帰省のついで 

お盆に帰省したのは三年ぶりだ。もちろん帰省自体は数こそ少ないがこの二年の間でも行き来はしていた。今回は友人Mに漫画を返す(という口実で遊ぶ)のと、もうひとつ目的があった。天子の住む町に出向きたかったのだ。

LCCは私の生まれ育った市町村が舞台で、蓮華高校ももちろん母校をイメージしており、名前は違えどその高校もやはり花の名前を冠している。キャラクターもそれぞれ、実際の地図でいうとどの辺りに住んでいるかというのもざっくり決めている。
だいたいのキャラは高校の近くに住んでいるが、凛は高台のニュータウンでバス通学、天子は電車で蓮華から3つ先の駅辺り。しかし実際にこの駅は存在せず、2つめと3つめの駅の間がかなり離れているので『間にもうひとつ増やしてもいいだろう』とこちらで勝手に増やしている。ごめんJR。が、なにぶん存在しないので駅周囲の環境などは2つめの駅を参考にしている。紛らわしい。
私はこの地(高浪ということにしておく)をほとんど訪れたことがない。そこでしか済ませることのできない用事がまず無いからだ。遊びに行くなら蓮華町やもっと南側の栄えている町に繰り出せばいいわけで。なので私にはレトロでこじんまりとした博物館と、昔ながらの小さな温泉街があるくらい、というにわか知識しかない。それと以前に書いた『ことほぎの儀』に出てくる神社か。例大祭は確かに賑わうそうだが、もちろんあんな衣装や儀式は存在しない。してたまるか。

新しいスーパーができたんだよ、とNさんが教えてくれた。仮に高浪店としよう。高浪店は今年の4月にオープンし、某ホームセンターが併設されている。車通りの多い場所で、なかなか繁盛しているそうだ。もともとは駅のそばに小さな支店があり、そちらを壊して大型店を作り直したらしい。車がないので弟が休みの日に連れていってもらうことにした。
なんとも言えない危なっかしい彼の運転で国道をまっすぐ南下したのち、高浪駅(実際は蓮華から2番目)の前を通った私はちょっと興奮した。
「あれって無人駅になったの?」と訊くと「人はいるんじゃない」「うん」と祖母と弟が言う。私の最寄り駅はとっくに無人化してしまったが、高浪はちゃんと駅員さんがいるらしい。何故か安堵する。いやそんな場合じゃない。
「金比羅様は!?どこ!」と喚く私、「あっち。駅の裏でしょ」と祖母。そうだ、私も件の話を書く時に調べたんだった。駅から歩いて行ける距離だ。正月に様子を見てこようかと思ったが、その時ばかりはどうしても混むのでやめておいた。いつ見られるんだろう。ちなみに温泉街も駅裏にある。
「あれ?」程なくして首を捻る。高浪には違いないが(違うけど)、思っていたのとだいぶ違う。店けっこうあるじゃん。うっかり畑ばかりとか描写してしまったのが申し訳ない。少なくとも国道はドラッグストアに100均にスーパーにホームセンターにコンビニと、意外と店が集まっていた。まぁここに来ないといけない用事はないけど、生活するには特に困らなさそうだ。ただ娯楽の類いはやはり見かけず、天子の大好きなゲーセンは蓮華まで行かねばならないだろう。ゲオならなんとか存在した。徒歩圏内ではないが、一応マクドナルドやカラオケや牛丼屋もある。やっぱり思ってたのと違った。ここ数年でいろいろ建ったのか?
でもまぁ、この程度では大都会(?)蓮華町の足元にも及ばないよ。刺激の欲しいお年頃なら蓮華に足しげく通うはずだろう。通学定期もあるし、何せ彼の一番欲しいものは蓮華にある(いる)わけだし。

それにしても、温泉街でまたいかがわしいバイトでもやらせたいな…


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