×××××と一緒



今日は待ちに待った結婚式だ。

やっと照子を手に入れた。
大学を卒業して就職するまで随分と照子を待たせてしまったけど待っててくれた照子には感謝してもしきれない。
前世の前世、そのまた前世なんども追いかけてやっと手に入った宝物。
照子の前は偶然同じ名前で照子、その前は幸さん。またその前は常世さんだった。なんども名前が変わってるから忘れてしまった名前もあるだろうけど恵美子というとても思い入れがある一番最初の名前を忘れることは無いだろう。
どの照子も大好きだけどやっぱり生きてる照子が一番好きだ。
前はやっと見つけたと思ったら彼氏がいるのを知り勢い余って無理心中してしまった。
その前は病気で早くに死んでしまったしまたその前は交通事故で命を落としてしまった。
彼女と結ばれる前に徴兵されてそのまま自分が死んだ時だってあるし彼女に巡り合わずに死んだ時だってある。
いつの時もうまくいかなかった。
こんなに平和で穏やかな時代に生まれることができたことはとても運が良かった。

「照子と結婚出来るなんて僕は幸せ者だね。」

誓いのキスを済ませた後に
照子の指に指輪をはめる
少し力を入れれば折れてしまいそうな細い指に慎重に指輪をはめればとてつもなく満たされるのを感じた。
照子は僕の隣にいるのだ。
牧師も教会も招待客もいない結婚式だが照子がいれば問題無かった。

「これからは僕に全部任せてくれていいからね。」

そう言って僕は先のない足首にキスをした。




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