私は早く帰りたい


「そのような男は見たことがありませぬ。力になれずすまない。」

あたりまえだ。そんな男いないのだから。

「いえ、もとより希望の薄い話。そう易々と情報を得られると期待するのはよくありませんね。」


いままでのあらすじ:私は城に連れ込まれた

正直どうしようとおもいつつここまで来てしまった自分を呪いたい。
あれだけがっちりつかまれていてはただの旅人に逃げられるわけないだろ!

そしてあれよあれよというまに真田幸村とご対面した私。
真田幸村は完全に私の事を信じきっているようだが猿飛佐助からの疑惑の視線がビシビシ伝わってくる。
いくら変装しているとは言え見られるのは嫌なものである。
だんだん恥ずかしくなってきた
早く帰りたい。
どうしてこんなことになってしまったんだろうか。
すべては縁側でまったりとくつろいでるこの男のせいである。
前田慶次と名乗ったこの男。

夜道には是非気を付けて欲しい。

「残念だったねーこれからどうするの?」

と聞いてる来るこの猿飛佐助もいちいちうっとおしい。
早く私を返してくれ!

「そうですね、北へ北へと進もうかと」

「ふーん。おんなひとりでねえ…ところで毛利の旦那元気?」

「はい。先日も日輪を参拝しておられましたよ」

「あ」

「え」

「え」

「やっぱり」

危機到来!
こいついつかぜったいしばく(二度目)


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