恥ずかしがり屋の忍が冷たい


「……で、

なんでアンタ隠れてるの?」


俺様が任務中に協力しないかと誘ったなんかこう…全体的に緑色の忍。
「詳細を話せ。話はそれからだ。」
と言って姿を消してしまった。

「え?え!?話聞くんじゃないの!?」

って同じく吃驚してるかすがと顔を見合わせてると

「早く話せ。」

と少し離れた木の方から声がした。
どうやらこの忍は木の上に居るらしい。
そして冒頭に戻るわけだ。

「……で、

なんでアンタ隠れてるの?」

「なんで隠れてるかって恥ずかしいからに決まっているからだろうが察しろ馬鹿め。」

なんでさっきからこの人俺様にこんなに辛辣なの?
俺様何かした?いや苦無投げたけどさ。何?根に持ってんの?
恥ずかしいとかそんな理由察せるわけないでしょ!!!

「……とりあえず自己紹介しようか。」

「お互いの情報は既に知っているだろう。」

「ねぇ止めてくれない?俺様達が既に知ってる体で話してくるの止めてくれない?」

「チッ……私は花子だ。」

舌打ちしたんだけどこの子。ちょっと酷くない?
しかも絶対偽名だよね。完全に舐められてるよねコレ

「嘘だろう!花子なんて嘘をつくな!!」

「全国の花子に謝れ。何処に嘘だという証拠がある。」

かすがもやっぱり俺様と同じことを考えていたらしくそこに突っかかっていた。

「……もういいよ花子で。じゃあさ、せめてどこの忍かぐらい教えてよ」

するとこの忍は一度フンと鼻で笑い自信満々そうにこういった。

「長曾我部の方の忍だ。」

へー鬼の旦那の所の忍にしちゃなんか(俺様に対して)冷たいというか。

自己紹介を済ませた後、お互いの目的と作戦を共有してから再度作戦を練った。
その間もあの忍は木の上から出てこなかった。
相当恥ずかしがりやなの?あの子。
作戦を再確認し城に向かう。
俺様は三手に分かれてわざと目的とは別の方向の罠を各々作動させた。

俺様は密書が目的だ。
かすが達は目的が暗殺だった。
しかも同じ標的だった気がする。
まずいんじゃないの、コレ。
俺様が別れた後の作戦は『各自で遂行』だったから、別れる前はピリピリしていた二人が心配でしょうがない。
そして各々任務を遂行した後にさっきの三人で作戦をたてていた場所で落ち合う手筈になっている。
……殺し合いにならなきゃいいけど。

無事に密書を盗み出すことに成功した俺様は例の場所に戻った。
あっちも無事任務を遂行出来ていたならここにいるはずだが。

「あれ?花子は?」

その場所にはかすがしか居なかった。
話を聞くと俺様が別れた後に花子がいきなり

「自分が殺せなかったなど主に報告出来ないだろう。
ここは早い者勝ちということにしないか。」

と言って消えた。
急いで自分が標的の元に行った時には全て終わっていた。
だそうだ。
かすがが語っていた。


残ったのは

複雑な顔をしていたかすがだけど、少しだけ変わった恥ずかしがり屋の忍に理由はどうあれ興味を持ったらしい。
次に会った時には一発…とかかすがが呟いてて怖い。
ま、俺様もちょっとだけ気になるから長曾我部の所に行った時はちょっと探してみようかな。





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