我の知ってる遊戯じゃない
11月11日ポッキーの日
忍さん番外編です。
Q.戦国時代に何でそんなものがホイホイ手に入ってるの?
A.婆裟羅だからです。
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伊達領に偵察に行った帰りの事。
聞く話によると今日は南蛮では棒状の焼き菓子で命を取り合うぽっきーげえむなる遊戯を楽しむ日だそうだ。
漢字にしたらば「補憑奇威遊戯」みたいな感じだろうか。少々禍々しくはないだろうか。
なんでも敗北した相手は体温が急激に上昇し動けなくなるそうだ。
このような遊戯にでもそのような呪いを掛ける本気具合など、南蛮はとても興味深い所である。
元就様は甘いものには目がないのでこの遊戯に誘ったら喜んで下さるだろうか。
おそらくいつものように長曾我部が元就様にこの行事についていろいろ言って行っただろうから元就様もこの遊戯は存じているはず。
しかしいくら焼き菓子と言えど元就様に武器を向けることは出来ない。
ああそうだ、例の長曾我部なら楽しんで元就と遊戯に興じてくれるだろう。
そう思い、任務の報告ついでにお誘いしてみた。長曾我部とぽっきいげえむに興じてみてはいかかでしょう。と。
「貴様。恐ろしいことを口に出すでない。」
「そう言われずに。きっと元就様も楽しめるかと。勝利した暁には相手の体温が急上昇し動けなくなると聞きました」
「は?」
「え?」
「仮にぽっきいげえむをやるとしても長曾我部と興じる位なら死を選ぶわ。」
「元就様でもそこまで避けたくなるような敗者の呪いなんですね」
「・・・呪い?」
「ん?」
「では元就様に焼き菓子を向けるのは大変心苦しいですが私でよければ是非共に興じましょう」
「馬鹿を言え。仮に貴様とやるとして、天井に居る貴様と届くわけがなかろう。できぬわ」
「いえ元就様。命の取り合いにはここが最高の位置でございますよ」
「命を取り合う?」
「ええ。」
「騙されたと思ってやってみましょう元就様!」
そして私はいきますね!もとなりさま!の掛け声とともに千本の代わりに焼き菓子を元就様にむけて投げつける。
あろうことか元就様は全て輪刀で弾き返してしまったのだ。
「ああ!駄目ですよ元就様!この遊戯は武器はこの棒状の焼き菓子のみと決まっているのです!」
「馬鹿が。さっきから何を言うておる。ぽっきいげえむはそんな野蛮な遊戯ではないわ!」
「なんと!?それは真にございますか!」
「嘘を言ってどうする!」
その後ただしいぽっきいげえむの詳細を聞いた私は色々な意味で赤面するのだった。
ポッキーゲーム≠補憑奇威遊戯
元就様に向かってなんてとんでもないことお誘いを…!ああ恥ずかしい!
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