赤司君と中学校


あれからすぐに入学式を迎え晴れて私達は中学生になった。
赤司くんはやっぱりバスケ部に入ったようで、あのとき部活に入部することを良しとしなかった赤司くんはバスケ部のマネージャーにでも誘ってくるのではないだろうかと身構えていたがどうやらそのつもりはなかったらしい。
私立中学校に進学し、地元の子は赤司くん以外誰も同じ学年にいない筈なのに、どこから話を聞きつけてきたのか。
私はまた友達を作ることが出来なかった。
赤司くんはこの残念な結果に心底満足しているらしい。
「今の状況はとても理想に近いね。そうだろ?照子。でもあと一息だ。まだ満足できないよ」
強豪と言われる部に所属していて忙しいはずの赤司くんは今でも暇かと言いたくなるくらい私にひっついてくる。
「照子とおしゃべりだなんて僕一人で十分だよね」
最近彼は私自身に私への好意を隠さなくなった。
「今日は誰と喋ったの?内容は?約束ごとはあるの?」
ダイレクトな独占欲をぶつけられるおかげで日常生活において口を開かない日も少なくなかった。
細かく説明を求められるし嘘をついてもどうせ後々バレるからだ。
何より赤司くんが嫌がるなら口を開かないほうがずっといい。
ああ、あの頃の甘えたというには行き過ぎた赤司くんが懐かしい。
時折こうやって懐古の情を抱きながら、このまま変わりない日々を送り卒業するのだと。私はそう考えていた。

しかし私にも好運が訪れる

苦節14年目、中学二年生にして今生で初めてさいごまで友人と言えた友人が出来たのだ。



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