あかしくんとそつえん


明くる日出来上がっていた赤司教を見ないふりをし、私なら彼を止められるであろうという教員(半洗脳済み)からの期待の目も気づかぬふりをし
なにごともなく日々振る舞っている私は内心ビビりながらも着々と心臓に毛を生やしていった。
そうでもしなければ耐えられなかったのである。

完璧に征十郎君が不自然な形で幼稚園になじみいつも征十郎君と共にいる私に寄りつく園児がいなくなった。
ようはぼっちに近いのだ。
征十郎君がちらちらと私を見ながらほかの園児に祭り上げられていたころが懐かしい。

「しょうこちゃんのおねがいどおりいっぱいともだちつくったんだ。すごいでしょ?これですきなだけしょうこちゃんとあそべるよ?」

と、らんらんと輝かせた瞳で興奮気味に私の服を鷲掴みしながら喋りかけてきた征十郎君は忘れられない。
あれから征十郎くんは私の後をついて歩き年少、年中、年長と離れようとしなかった。
ずっと組が一緒だったのはきっといざという時私が彼のストッパーになるようにという先生の陰謀だろう。

そんな幼稚園も明日でおわり。
小学校に入学するのだ。

「しょうがっこうかー。おともだちできるかなあ。」

「いらないよそんなの。ともだちなんかできたらぼくのことほったらかしちゃうでしょ。しょうこちゃん」

「えー。そんなことしないって。」

なんて事をいうんだこの子は。
幼稚園でぼっちに等しかったわたしは友達作りをあきらめない!

「小学校も同じ組だといいね」

「そうだね。寂しくないもんね。」

××年ぶりの小学校へ懐古の情や不安を胸に征十郎君に手を引かれた私は家路につくのだった。


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