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それから急速にこの気持ちはヒートアップしてしまった。自分が自分じゃないみたいだった。登下校、休み時間も、昼休みも、リンと一緒にいた。オレはリンと話すのだけは億劫ではなかった。考え方も大分変わった、なぜならオレは今、すごく楽しい!リンと一緒にいれて、リンが隣で笑って、ああ、楽しい。いつも寝ていた休み時間、寝る時間さえ、勿体無いと感じた。読書も、あの日からずっとページが進まない。リンといることが大切だった。オレは話すのに慣れてないから、きっと一緒にいても楽しくないんじゃないか、と思うのだが、それでもリンは笑う。そんなオレが、最近リンと同じくらい熱中することができた。
きっかけはリンの一言だった。
「リンね、歌うの好きなの」
そうして歌ってくれた数々の歌が、オレの全てを魅了した。なんてよくとおる歌声なんだろう。歌のことはよく分からない、そりゃあ、リンの歌が誰の曲かも知らないくらい、今まで興味がなかったから。けれど、何故だかこころを射抜くのだ。リンだから、というのは勿論ある。以上に、なにかが全身を取り巻いて、そうだ、リンと初めて話したあのときのように。
「ギターがあったら、いいのになあ」
そしてリンは言ったのだ。
「ギターやベースやドラムがあったら、歌が歌になってみんなに届くでしょう、それに、楽器があったら楽しいもの!リン、バンド組みたいんだ」
音楽は一人でも多くの人が関わった方が楽しいと思うんだ。そう、言ったリンの言葉に、オレは思わず、言ってしまったんだ。

「リン、バンドやろう!」



そう言った時の君の笑顔は、今でも忘れられない。




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