「ネルちゃん、」
「なっ、なによ」
「ネルちゃんって、可愛いよね、黄色似合うし、おっぱい大きいし、ニーソ萌えだし、なによりポニテとか、たまんないよ、リンは」
「な、なに言い出してんのあんた」
「ネルちゃん、ネルちゃん」
「だから、なに」
「リンはネルちゃんが大好きだよ」
「‥‥あたしだって、まあ、好きよ」

ネルちゃん、ネルちゃん。
違うんだよ、リンは、ネルちゃんとは違った、好きなんだよ。
健気で、ちょっとしたことでも真っ赤になって、なかなか素直になれないけどほんとはとっても思いやりがあって、優しくて、可愛い。
リンは、ネルちゃんが、大好きだよ。



ネルちゃんは、私が大嫌いだった。ネルちゃんは私が嫌いだから、どんな醜い部分も見せた。私にならどうせ嫌われても構わないから。「あんたなんか大嫌い!」私に向けられたその言葉の奥にどんな想いが込められてたかなんて、手にとるように分かった。「ほんとはこんなこと言いたくない」「こんなこと言ってしまう自分が、ほんとは一番嫌い」「でも、こう言うことでしか自分を保てない」「そんな自分をレンくんが好きになってくれる筈ない」「だけど」「だけど」
もう、いいよ。分かったよ。私にならどんな酷い言葉を向けたって構わない。だからお願い、そんな泣きそうな瞳をして、自分を傷つけないで?ネルちゃん。
嫉妬と劣等感でいっぱいなのに、それがいけないことだとひたすら自分を罵る。それさえ叶わなくて私に八つ当たる。けれどそんな自分も許せない。なんて、不器用なんだろう。けれどどうしてこんなにも、愛しいんだろう。
ある日ネルちゃんは言った。「あんたなんか、嫌いになれたら、よかったのに」。相変わらず不器用で素直じゃない。けれど私には充分すぎた、すごく嬉しかった。私はもう、この言葉だけで生きていけるとさえ思った。
やっぱりそれは難しい。ネルちゃんのことを考えるだけで胸が締め付けられる。多分この想いを告げることは無いだろうし、叶うことは無いだろうと思う。それでも私は、ネルちゃんが私にしか弱音を吐かないことが何より嬉しい。
だから私は何度だって言う。(どうせこの気持ちには、一生気付かれることがないのだから)


「ネルちゃん、大好き!」


(けれど私は知らないのだ、ネルちゃんの悩みの原因が、私だということを)







ダークイエローは貫いてゆく
ピンクさえも、掻き消して





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