「はじめまして鏡音リンですお姉ちゃんって呼んでね!」

隣でリンがすっごく可愛い笑顔で笑ってる。リンはお姉ちゃんに憧れてたんだ、オレは一応弟だけど、やっぱり歳は変わらないし、二人で同じだけの経験をしてきたから、ビギナーという訳でもない。だからずっと楽しみにしてきた、妹の登場。
だけど

「やっと会えたーっ!」

だけどなんだ、こいつ。オレよりずーっとデカい。オレよりデカいということは、リンよりデカいということで。オレは折角伸びてきた身長に、リンの背を抜かしたことに満足していたというのに、コイツのせいでそれが覆されそうになる。
それよりも!

「バカヤローッ、リンから離れろっ!」
「あ、ショタロイドだ!うっわーホントに小さーい、可愛いねえ可愛いねえ」

ヨシヨシ、としゃがんで頭を撫でられる。こんな屈辱あるか!
ふざけんな!

「リンの方が可愛いよーっ!」
「うん、うん、オネーチャンの方が数億倍可愛いねえ。オレね、オレね、ずーっとオネーチャンの曲聴いてたんだよ。オネーチャンの曲大好き!オネーチャンも大好き!」

さり気なく告ってんじゃねー!実はお前リン廃だったのかよ!ちくしょーお前は大人しく麦飯でも食ってろコノヤロー!

「えっへへー、ルコちゃんはいい子ですねえ、リンもルコちゃんがだいすきだよお!」
「ちょwwリンっ、やめろ、そいつから離れろ!」
「‥あれえ、オニーチャンひょっとして、やきもち?」

にやり。と笑ったこいつの頬をびろりと伸ばせば、「なにしゅんのしゃ、コニォショタヤロー!」と滑舌の悪い言葉を吐いた。(ルコざまあww)相変わらず口は悪いが、その不様な姿を見て俺はなんとも言えない優越感に浸った。
しかしそれも束の間、リンがオレからルコを引っ剥がした。

「レーン!妹をいじめちゃダメでしょ!」
「え、リン?」
「オネーチャぁああン」

奴はリンに抱き付いて離れようとしない。リン、リン、騙されちゃだめだ!

「よしよしルコちゃん、オネーチャンがいじめっこレンから守ってあげるからねっ」


嗚呼愛しのリン!今お前の胸の中で泣いているそいつは妹なんかじゃないんだ!そしてそいつはお前のことをお姉ちゃんだなんて思ってない!だって、だってな、そいつはオレと同じリン廃だ!いつかリンとにゃんにゃんしたいって思ってるんだ!そいつはただの猫かぶりヤローなんだ!だから、だから、だからそいつと仲良くすんなーっ!




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(敢えて胸にはつっこまない!)





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