ここ最近天候が大荒れで、今日みたいに快晴な日はそう多くない。あと数分で、常夏の島バナー島に着く。久々の島でクルー達は心を躍らせている。
マオ達が上陸するバナー島は美人がそこら中に水着で歩いてる事で有名な島のだ。だが一人浮かない顔をしているのはマオだ。
彼女にはずっと昔から想っている人がいる。その彼の名はマルコ。白ひげ海賊団一番隊隊長を務める、白ひげ海賊団のNo.2。別に目が引くほどカッコイイと言う訳ではない。
マオはマルコの家族想いな心と熱い眼差しに惚れたのだ。
はぁとため息を漏らしていると、隊員達の上陸だァ!という声で覚醒した。
事前にシフォンのワンピースに着替えていたマオはヴァカンスする為に水着を買いに行こうと立ち上がった。

「お、マオ!」

振り向くとエースが大きく手を振ってこちらに走って来る。そしていきなりマオを横抱きにし船から降りた。

『きゃっ!ちょっと、エース何するのよ!!』
「いいから、いいから」

エースはこ洒落たカフェのカウンターに座らせ、マスターにチップを渡している。エースがチップを渡すなんて珍しい。

『(明日は大荒れね)』

エースは何かをボソリと言って聞き手のマスターは奥のキッチンへと消えた。いつもの笑顔でニコニコされると無性に腹が立つ。

『それで、何でこんな所に連れてきたのよ?』
「あぁ!忘れてた」

エースは一旦言葉を区切り、太陽の様な笑顔で言葉を続けた。

「マルコはな、黒いセクシーな水着が好きみたいだぞ」

その言葉にマオは顔を茹でダコの様に真っ赤にし、押し黙った。マオは胸が大きいわけではないし、グラビアの様なくびれがある訳ではない。そんな黒い水着なんて着れるような体型ではないのだ。

『わ、私そんな水着着れないわ』
「マオなら大丈夫だ!俺が保証してやる」

マスターがキッチンから戻ってくると大量の料理が運び込まれた。あんな普通の体のどこに入っていくのかエースはそれを全て平らげていく。
マオもマスターにカクテルを頼み体が火照っていく。


あれからどれだけ時間が経っただろうか。
外を見ると月は空高く上がっている。夏島と言っても夜は少しだけ肌寒い。

「寒くないか?」
『私は平気よ。さっきのお酒で体が火照ってるの』

夜風がほどよくマオの髪を撫でる。すると、路地裏から甘い声が聞こえ二人は顔を見合わせ苦笑いし、路地裏の前を通ろうとした時だった。

「いやん、マルコさん…。人来ちゃいますよ?」
「別に気にしないよい」

視線の先にいるのはマオの想い人。相手の女は露出の高い服を着ており、出るところはしっかりと出ている。
マルコの手は次第に下へと這っていきその女の腰をしっかりと掴み深い口づけをした。
マオの火照った体は一気に冷え、熱のこもった頬に一筋の冷たい涙がこぼれ落ちた。すると、後ろから抱きしめられ瞼に大きな手が重なった。

「見るな」

耳元でそっと囁くエース。マオの涙は止まる事はない。

『(嗚呼、)』

カミサマ、この恋を

『(終わりにさせてくれませんか?)』




14.02.23

お借りしたお題サイト様

確かに恋だった


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