05


最近、兄さんの様子がおかしい。きっと、うちは一族の暗殺命令が下ったのだろう。
そして先日、うちはシスイが死んだ。
兄さんは表情が悪く、その時が近いのだと感じさせられた。
私がどうにかしなくてはこのままだと本当に原作通りになってします。
今の私では何も出来ない。それが現実だ。


今日は修行を遅くまでやっていた。辺りはもう既に暗く、お化けが出そうな勢いだ。
いつもの帰り道をただ無心で走り続けた。いつものうちはの集落が何か様子がおかしい。
もしやと思い先ほどよりも早く走った。
いつも優しく声を掛けてくれたおじさんとおばさん。近所に住んでいる綺麗で凛々しかったお姉さん。皆、血塗れで倒れている。脈はない。
私は涙を拭い、自宅へとまた足を進めた。そして、二つの影が目に入った。

『兄さん…』

兄さんは私を見た。サスケは既に眠らされており、地面に倒れていた。

「…遅かったな」
『修行してたの。兄さんをサスケをうちはを守る為に…けど、遅かった!!』
「…どう言う事だ?」

兄さんは低い声で問うた。私は兄さんの赤い瞳を見ながら言った。

『私、知ってた!うちはのクーデターもシスイさんの死も木ノ葉の上層部の人達にうちはを暗殺しろと兄さんが命令されてた事も、全部全部知ってた!ごめん、ごめんね。兄さんっ!』

涙が溢れて視界が霞んでいく。兄さんの方が辛いのに。兄さんは私に歩み寄りそして目線を合わせこつりと私の額に自分の額を寄せた。赤い瞳は優しい黒の瞳に変わっていた。

「…ありがとう。その気持ちだけで十分だ。そして…さようなら、イヅキ」

ふわりと頭が軽くなる。一粒の涙が兄さんの頬を伝っていくのがわかった。

「"ありがとう"」

遠のいていく意識の中でそう呟かれた気がした。



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もう少し、イタチとの思い出を入れていこうと思ったのですが、そろそろ原作に行きたいのでぶっ飛ばしてしまいました 汗
アカデミー編はあと数話で完結予定です。
早くサスケとシカマルに絡ませなくては…。




 

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