07


色々な感情が混ざった視線が私に付きまとう。時々囁かれる言葉は"可哀想""お兄さんが殺したんだって"そんな言葉だった。苛立ちのあまり、手には血が滲んでいた。

「イヅキ…ちゃん?」

そんな私を見て、ヒナタが話しかけてきた。気遣う訳ではなくいつものたわいも無い話。私はそんなヒナタの性格が大好きだ。
退屈な授業が終わり、ぶらぶらと兄さんといつも修行に来ていた森にやって来た。鳥のさえずりや川の流れる静かな自然の音が心地良い。
頭に浮かぶのは兄さんの事ばかり。深呼吸をして息を整え、私は修行に励んだ。
カサリ、と草を踏む音が耳に入った。私じゃない誰かが側にいる。

「あれ?イヅキ…?」

振り向くと気怠気のシカマルがいた。シカマルは家の手伝いをサボるためにこの森にやって来たらしい。
突然、頭に自分より大きな手が置かれわしゃわしゃと撫でられる。

『わっ!髪ぐしゃぐしゃになっちゃったじゃん!!』
「ははっ!似合ってんぞ」
『もう!シカマルのバカ!!』

私がそっぽを向くと今度は優しい手つきで頭を撫でた。シカマルの顔を覗くとすごく嬉しそうにはにかんだ。

「やっと元の表情に戻ったな」

そう言われ、ドキリと心臓が鳴った。シカマルは気づいていた。
兄さんも大好きだけど、サスケも大好き。2人の亀裂が、サスケの憎しみが増していくほど辛くて。だけど、辛いのはサスケも一緒なんだ。これからもっと辛いことが待ち受けている。今ここで負けてしまえばこれから先、私は耐えられなくなってしまう。
一筋の涙が頬をつたい、乾いた地面に吸い込まれていく。

「俺たちはまだ忍びじゃない。辛い時は泣けばいい」
『あ、りが…とう』

しばらくの間、私はシカマルの腕の中で泣いた。
これからくる未来を私は変えようと心の中で誓った。




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かなり久々の更新…主人公の口調が掴めず、自己嫌悪(´・ω・`)
早く書かなくてわ!

 

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