書籍整理(風魔小太郎)





晴れ渡る空、白い雲
心地好い風が肌を撫でる
今日は日の当たる部屋で
本を読むのに絶好の図書室日和だ

ほぼ毎日通っている図書室…。

そんな私は図書委員会委員長

「北条先生、今日は
新書の入荷の日ですよね?」

「あぁそうじゃ!
ワシの本心ではないが
気合い入れて本の整頓を
せねばならん!
風魔ぁあ風魔はおらんかぁああ」

その瞬間シュって音を立てて
私の隣に小太郎が現れた

先生の本心じゃないってのは
先生は古書が好きで
新書が入れば貸出禁止以外の
10年間貸し出しの
無い図書はとりあえず
倉庫送りになるからだ

確かに私も本が倉庫送りに
なるのは残念だけれど
新書も読みたいってのも
あって実に複雑である

「さて、もう貸出用の
バーコードは付いてるし
後は並べるだけだね」

新書の箱は今回は2箱
積み重なった箱を
持って移動しようと
した瞬間私の手は空を切った

「小太郎…小太郎は
手伝ってくれてるんだから
私が持つからいいよー」

小太郎は新書の箱を
抱きしめて
フルフル左右に首を振って

「…俺が運ぶ…」

って静かに呟いた
こうなったらもう
小太郎は頑固だ

「そっか…じゃお願いね」

小太郎を新書の入れる棚に
案内して1冊1冊取り出して
2人で協力して本を入れた

小太郎のおかげでものの
一人だったら40分位かかる
だろう量を15分程で
終わる事が出来た

「小太郎ホントありがとう」

そう言うと小太郎の
口元が緩んで私に
へばりついてきた

こんなに大きいのに
小太郎は仕草がホント可愛い

「……羅奈、
この後一緒に帰ろう…」

その言葉に頷く以外に
私に選択肢は無かった

書籍整理

(手伝いに来るのは
羅奈が居るから)


2010.12.19



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