若きバンパイア 12/26





その後サムの私の知ってる話を
語られて私は何とか相槌をいれながら
聞き終えた…
うん私を誉めて欲しい

あれだ生徒指導の先生の話を
マンツーマンで聞かされた気分だ

勿論そんな場面に出くわした事は
生前に一度も無かった訳だけど

私実は良い子ちゃん
だったんだよねぇ

「ねぇ」

「ん?」

「僕もサーカスに入れてよ!!」

いや…エブラ居ないのに
言われちゃったよ

「無理だよ」

「何で?ラナだって
サーカスに居るじゃないか!!」

「私は仕様が違うんだよ」

「でも僕、働き者だし
頭も良いし何だってするよ
本気なんだ!!」

「本気なのは分かったけど…
もう後数年してから…」

「だけど…!!」

「数年したらまた探して来れば
きっと入れてもらえる
サムは今小さい妹とか
弟が居るんでしょ?
せめて皆が
お兄ちゃんが居なくても
泣かない位立派になってから
サーカスに入ればいいと思う」

「それじゃ何年先になるか…」

「それじゃ兄弟を見捨てるの?」

「見捨てるって…」

「言い方は悪いけど
見捨てると同じだよ
ここは安全な訳じゃない
常に旅は死と隣り合わせ
なんだよサム」

「…」

「ね?」

「分かった僕大きくなったら
世界中を探し回ってきっと
このサーカスで働くよ!!」

「うん良く言った」

頭を撫でてあげた
私小さい頃撫でられるの
好きだったしねー

空を見るとだいぶ深夜に
なってきたんだと思う

「サムそろそろ帰ろうか
もう夜遅いし」

「…うん」

とりあえず手つないで
サーカスに向かった

サーカスの方向は
明るいから分かりやすい

「ねぇラナ…」

「何?」

「もう同じ事は言わないから
…また明日来てもいいかな?」

私の口は自然とokを出していた



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