少女時代 9/14





「御嬢さんお探しなのは
この小袋ですかな?」

ベルベットボイスと言ったらいいのか
とても素敵な声でそう言われて
私は一瞬固まった。

「…そうですけど…」

何でそれをあなたが
持ってるんですかっ?!

「いや何、御嬢さんの目線が
気になっただけなのだが…
どうも私の知人に似ててね
少しばかし話してみたくなったのだ」

知人って…
まぁねラーテンと話すきっかけを
本人から作られるなんて
思ってもみなかったな…

「…そうなんですか…
でも私は話す事なんて…」

「御嬢さん、君の名前を
教えてくれないか?うん」

うん何でラーテンこんなに
積極的なのかな?

「…ラナ・レナードですけど…」

「おお!ラナ、
響きが良くいい名だな
ここで相談なんだが…
ラナ、君はこちら
の世界に興味はないか?」

「えっ…ちょっと待っ…?!」

「いや何別に我輩は、
君をバンパイアに勧誘したい
だとかそういう訳ではないのだよ」

いやいや何故ラーテンからバンパイアに
勧誘ルートになったの…?!
無理やりすぎるでしょ…?!
何だ…あれなの運命の女神様は
私の血をよっぽどラーテンに飲ませたかった訳?

不味いって言わせたい訳?!
うぅ…私ショック受ける
そんな事言われたら

しかもラーテンのキャラと
違うじゃない…
衝動に従わせちゃ駄目だよ…
運命の女神様…

そう頭の中でうんうん唸っている
間に何時の間にかラーテンが
私のそばに立っていた
(めっちゃ怖い)

ここは…

「バ…バンパイアって何ですか?(ニコニコ」

知らんぷり作戦だね

「いやなに大した事はない
私の永遠の伴侶として生きてもらう為だ
何心配は無いラナは
手を差し出すだけで構わん」

「お断りします。」

「それではこの袋は返さん」

いやっ生涯ラーテンと一緒ってのも
まあ美味しいかもしれないけど

「こんなテンションやってられません!」

ラーテンの脇腹に有りっ丈の
力を込めて拳を入れた

「ぐぁは」

こう来ると思っていなかったのか
ラーテンは避けきれず床に倒れ
ノックアウトされた

すかさずラーテンが握りしめていた
小袋を奪い取って私は
ホールから走って出た。

…まさかこの光景を
ダレンに見られていたなんて
私は知らない



- 168 -


【BACK】


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -