少女時代 8/14





サーカスも終焉し、私達は満足顔で
流されるように退場口から出て
劇場の前に居た

「いやぁ本当に来てよかったね
特にマダムとかさ!」

「もう、ダレンは
マダムの事ばっかじゃない…」

まぁ私も特にラーテンが見れた事が
よかったと思う。

「あと…お土産も買えたし…」

そう思って鞄の中を見た瞬間…

「こっ…」

「こっ?」

「小袋がない…?!」

どこに落としたんだろ…?!
鞄に小袋入れた時?
それともこの退場の時に
落としちゃったの…?!

「私一様席見てくるね」

あれを無くすのはちょっと惜しい
マダムのキーホルダーも含めてだけど
あの小袋にはお気に入りの
キーホルダーが付いてるから…

「僕も行くよ!」

「うんん、すぐ戻って
来るから待ってて」

幸いもうほとんどの他の客は
帰ってしまって
出てくる客もまばらだ

私は走ってホールに向かった

―――――――――――――
―――――――――
――――――

「はぁ…無いなぁ…」

誰も居ないホールに
虚しくも私の声が響いた

もしかして座席の下に
落ちてたらいいのにな
と思ったんだけど…

うん無い…無いよ…

脱力感で溜息をついて
諦めて座席の前から
立ち上がった瞬間

薄暗い舞台に誰かが
立っているのが見えた

「ミスタークレプスリー…」

何故彼がここに居るのか…
そして彼が何故彼が

私の小袋 を持っているのか

それが不思議でしょうがなかった



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